暫定施設の閉鎖
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 13:59 UTC 版)
臨海副都心の土地の幾つかは、東京都が暫定的な貸出を行っている土地である。臨海副都心地区の開発を進めていた1990年代後半、バブル崩壊の影響で企業の進出意欲はどん底であった上に、当時は交通の便も悪かった台場地区の買い手が付かなかったため、東京都が確実に事業者を募るため、廉価で10年間の期限を付け、東京都保有の土地を定期借地権で貸し出したことによる。 パレットタウン(1999年開業)、アニヴェルセル 東京ベイ(2002年開業)、大江戸温泉物語(2003年開業)、東京テレポート駅前のバーミヤンとローソンは定期借地権付きの用地で運営される暫定施設であるが、前述のとおり当初は開業から10年で土地を返還する契約となっていた。このうち、大江戸温泉物語とアニヴェルセル 東京ベイは2021年9月に閉館することが決まり、パレットタウンについても後述の再開発工事着工に向けて更地にする必要もあることから、2021年12月から2022年8月にかけて順次閉館することが決まっている。また、近年の施設ではBMW GROUP Tokyo Bay(2016年開業)、東京国際展示場の東新展示棟(2016年稼働)も暫定施設となっている。 パレットタウン 「パレットタウン#施設の閉鎖と跡地開発」も参照 パレットタウンもこの契約で誕生した暫定施設であったが、結果として大成功を収めた。当初の予定では2010年(平成22年)6月までに観覧車も含めたパレットタウン全体を閉鎖する計画で、利用者や都の幹部からも疑問の声が寄せられていたが、2008年(平成20年)に実施された開発事業者の公募により、当地(青海ST区画)はパレットタウンでの事業を既に展開している森ビルとトヨタ自動車が814億円で購入することになった。 同時点の計画では、パレットタウンを商業施設やホテル(コンベンション一体型)、オフィス、車の展示施設などを含む複合ビル(地上23階・地下2階)と新型観覧車に建て替え、2013年(平成25年)に開業の予定であった。しかし、経済状況の変化などから2009年(平成21年)11月に建設計画が延期されて既存施設の営業が延長される見通しとなり、2010年(平成22年)1月には、東京都と森ビル・トヨタ自動車が2016年(平成28年)3月までに新施設を開業させることで合意したが、2018年時点では開業予定が2024年度まで先送りされていた。 その後、トヨタグループの東和不動産が2020年(令和2年)3月末に大型複合アリーナ(収容人数:10,000人規模)の建設計画を発表、同年6月30日にはトヨタ自動車・東和不動産・森ビル・東京都の4者が協議を進め、2025年を目処にアリーナや商業施設などを開業すると日本経済新聞が報じた。これらによれば、2023年(令和5年)春に工事着工し、2025年(令和7年)6月頃にアリーナが竣工予定で、Bリーグ・アルバルク東京のホームアリーナとしての機能をメインに各種イベントの開催も見込んでいる。また、アリーナにはコンベンション機能を含むほか、新たな商業施設も計画されている(計画名:青海ST区画プロジェクト (仮称))。 大江戸温泉物語 当初の予定では2013年(平成25年)に営業を終了するとしていたが、2015年(平成27年)度まで東京都との土地の賃貸借契約が延長された。さらにその後にも契約期間の延長が行われ、2021年末まで契約を継続する見込みとなった。2021年(令和3年)6月23日には、契約の最長期間は20年と定められており再契約もできなかったことから、同年末をもっての契約終了が確定し、解体作業の期間も考慮して同年9月5日に閉館することが発表された。
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