暗黒物質とは? わかりやすく解説

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暗黒物質 dark matter

宇宙存在するとされているが、未発見の物質ダークマターの量は星などの見え天体総和10倍以上あると推定されている。

暗黒物質

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/14 03:45 UTC 版)

天文学上の未解決問題
暗黒物質は存在するか。仮に存在する場合、その正体は何か。
現代宇宙論
宇宙
ビッグバンブラックホール
宇宙の年齢
宇宙の年表
暗黒物質に囲まれた地球の想像図

暗黒物質(あんこくぶっしつ、: dark matterダークマター)は天文学的現象を説明するために考えだされた仮説上の物質

質量を持つ」、「物質とはほとんど相互作用せず、光学的に直接観測できない」、「銀河系内に遍く存在する」といった性質が想定される。間接的に存在を示唆する観測事実はあるものの、直接的な観測例は無く、ダークマターの正体も不明である。

概要

アンリ・ポアンカレは1902年、著書『科学と方法』で銀河に気体分子運動論を適用した結果が光る星のみを望遠鏡で観測した結果とおおよそ合致していることから、「暗黒なる物質はない、少なくとも光る物質程にはない」[1]と記した。「暗黒物質(: dark matter)」という語は、太陽系近傍の恒星の運動を観測することで銀河系の力学構造について研究した1922年のヤコブス・カプタインの論文[2]、そして1932年のヤン・オールトの論文[3][4]の中で用いられている[5]。オールトは太陽近傍での質量密度の推定値として

標準模型

ニュートリノ以外は、存在が未確認であり、推測や予言の域を出ず、実在しない可能性を持つ候補もある。

ニュートリノ
熱い暗黒物質の代表例。従来ニュートリノの質量は0であると思われていたが、1996年から1998年にかけての東大宇宙線研究所による観測によって質量を持っている事が証明された。ニュートリノは宇宙全体に存在する数が非常に多い(計算では〜100個/cm3)ので、質量が10eV程度あれば暗黒物質の候補になるとされていた。しかしながら、ニュートリノの寄与は臨界密度の高々1.5%程度であることが分かってきたので、現在では主要な暗黒物質であるとは考えられていない。さらに、ニュートリノが暗黒物質の主成分だとすると銀河形成論的に支障が生ずる。銀河団以下のスケールの構造が生まれなくなってしまうのである(英: free streaming mixing)。これは、ニュートリノ同士の相互作用がほとんど無く互いに通り過ぎてしまい、圧力が生じないことによる。従って、ニュートリノ説は否定された[28]
ニュートラリーノ
超対称性粒子のうち、電気的に中性である粒子。超対称性粒子は現在見つかっていないことから不安定であると考えられており、宇宙の初期にほとんどが通常の素粒子と、より軽い超対称性粒子に崩壊していったと考えられている。しかし、超対称性粒子に特有のRパリティ保存則により、最も軽い超対称性粒子(英: Lightest Supersymmetric Particle、LSP)は崩壊できず宇宙に残っていると考えられている。電荷を持つLSPがあるならば既に見つかっているであろうから、現在考えられている宇宙暗黒物質としてのLSPは電荷を持たないLSPである。ニュートラリーノの質量は数GeV〜数百GeVの範囲で原子核との散乱断面積は10-4以下と考えられている。
アキシオン
冷たい暗黒物質の代表例。強い相互作用を記述する量子色力学に関連してその存在が期待されている仮説上の素粒子。その質量は

外部リンク


暗黒物質

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/25 05:02 UTC 版)

アルファ磁気分光器」の記事における「暗黒物質」の解説

星などの観測可能な物質の量は、多く観測結果から計算すると、宇宙全体質量の5%以下を占めに過ぎない残り95%のうち20数%を暗黒物質、70数%を暗黒エネルギー占めていると考えられている。両者性質いまだに明らかでないが、現在のところ暗黒物質の有力な候補として挙げられているのがニュートラリーノである。もしニュートラリーノ存在すれば、それらが互いに衝突することによって発生する荷電粒子AMS-02によって観測されるはずである。陽電子反陽子ガンマ線放出などが検出されれば、ニュートラリーノや他の暗黒物質候補存在を示す徴候なり得る

※この「暗黒物質」の解説は、「アルファ磁気分光器」の解説の一部です。
「暗黒物質」を含む「アルファ磁気分光器」の記事については、「アルファ磁気分光器」の概要を参照ください。

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