暗黒物質として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 14:02 UTC 版)
「Weakly interacting massive particles」の記事における「暗黒物質として」の解説
1970年代に暗黒物質問題が確立されてから10年後、この問題の潜在的な解決策としてWIMPが提案された。 自然界にWIMPが存在することはまだ仮説段階がが、暗黒物質に関連する多くの天体物理学的および宇宙論的問題を解決すると期待されている。今日、天文学者の間では、宇宙の大部分の質量が実際に暗いという共通認識がある。冷たい暗黒物質で満たされたの宇宙のシミュレーション結果は、観測されたものとほぼ同様の銀河分布を生成する。 対照的に、ホットダークマターは銀河の大規模構造を塗りつぶすため、実行可能な宇宙論モデルとは見なされない。 WIMPは、すべての粒子が熱平衡状態にあった初期の宇宙からの残存暗黒物質粒子のモデルに適合する。初期の宇宙に存在するような十分に高い温度の場合、暗黒物質粒子とその反粒子は、より明るい粒子から形成され、消滅していたと考えられる。宇宙が膨張して冷却されると、これらの軽い粒子の平均熱エネルギーは減少し、最終的には暗黒物質の粒子と反粒子のペアを形成するには不十分になるであろう。しかし、暗黒物質粒子と反粒子のペアの消滅は続き、暗黒物質粒子の数密度は指数関数的に減少し始めるであろう。 しかし、最終的には数密度が低くなり、暗黒物質粒子と反粒子の相互作用が止まり、宇宙が拡大し続けても暗黒物質粒子の数は(ほぼ)一定のままになる。 相互作用断面積が大きい粒子は、より長い期間消滅し続けるため、対消滅相互作用が停止した時の数密度は小さくなる。宇宙における現在推定されている暗黒物質の存在量に基づいて、暗黒物質粒子がそのような残存粒子である場合を考えると、粒子-反粒子対消滅を支配する相互作用断面積は、弱い相互作用の断面積より大きくなることはない。 このモデルが正しければ、暗黒物質粒子はWIMPの特性を持つことになる。
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