日本国内における意見の相違
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 05:28 UTC 版)
「京滬高速鉄道」の記事における「日本国内における意見の相違」の解説
京滬高速鉄道プロジェクトは1300億元(約2兆円)の大プロジェクトであり、日本側は閣僚が訪中するなど働きかけを強めた。中国政府の計画では、全線最高速度350km/h、2010年までの開業を目指すとしていた。しかし、中国への鉄道技術の輸出に関しては日本の経済界でも賛否が分かれており、交渉は膠着化した。 海外技術の導入に際しては、韓国KTXと同様に、現地への車両生産技術の移転が前提とされる。そのため、台湾高速鉄道に対しては技術供与を行った東海旅客鉄道(JR東海)や西日本旅客鉄道(JR西日本)は、 他国との混合システムでは、日本の新幹線の特長である高い安全性や信頼性が担保されない。大半が日本製で、欧州製が一部混在する台湾の場合では、ドイツ製のポイント装置等が台湾の湿潤な気候に適合せず、恒常的に運行トラブルを引き起こしている。 事故やトラブルが発生した場合の責任範囲が曖昧である。 安易な技術流出は危険である。台湾の場合は、今後も日本が継続的に車両製造を受注できる見込みなのに対し、中国は自国生産に固執している。 として反対の意思を表明し、日本の企業連合には加わらなかった。JR東海の葛西敬之会長は、中国への新幹線技術の輸出に関して「日本側が得るものが少なく、むしろメーカーの国際競争力低下に繋がる」として否定的な意見を述べていた。日本の経済界においても、中国への高速鉄道技術の輸出に関しては賛否両論に分かれていた。 東日本旅客鉄道(JR東日本)は比較的積極的であり、同社のE2系に準じた車両が導入されたが、あくまでも後継車(E5系)の投入が決まり、型落ちとなる車両の輸出ではある。 詳細は「中国高速鉄道CRH2型電車」を参照 最終的にはJR東海やJR西日本の予見通り、京滬高速鉄道については、中国鉄道部と関連企業が各国から導入した高速鉄道のノウハウを利用し、自主開発する方針になった。これにより海外企業が継続的な利益が確保することは絶望的となり、日本連合は、受注したわずか9編成および一部部品の費用に技術費のみの利益で、今後複数国からの技術をもとに中国が設計・製造する車両で発生する可能性のある日本技術部分のトラブルへのリスクを負うこととなった。
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