日本における呼称について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 01:07 UTC 版)
「鉄道ファン」の記事における「日本における呼称について」の解説
日本における「鉄道ファン」に対する呼称は一様ではなく、時代や文脈によってさまざまに分かれている。以下、呼称について各呼称ごとにその由来・時代変遷を述べる。 「鉄道ファン」 最も一般的かつ無難な呼称。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}後述するように昭和30年代頃までは「鉄道マニア」が通常呼称であったが[要出典]、「マニア」という言葉が次第に嫌われるようになり、代わりに広く使用されることとなった。 英語でも鉄道趣味人のことは「railfan」といい、日本語でも「レールファン」という表現が用いられることがある。 なお、「鉄道ファン」は同名の雑誌を発行する交友社が商標登録しているが、「雑誌、新聞」というジャンルに限った呼称の登録であるため、一般的な使用や、「雑誌、新聞」以外のジャンルでの商業的使用にはまったく問題がない。 「鉄ちゃん」 「鉄ちん」 「…ちゃん」という愛称形をとっているため、親しみを込めた文脈から差別的な文脈まで広く用いられ、ファン自身が卑称扱いで自称することもある。発生時期は明確でないが昭和40年代頃とみられ、元は卑称・蔑称であったともいわれる。これに対し女性の場合は、「みっちゃん」と呼ばれる。これは、「鉄道」の「道」から発生したものである。近年では「鉄子」とも呼ばれる(後述)。 「鉄」 2000年代以降中立的名称として広く使用が認められる語。「てつ」・「テツ」と仮名表記することもある。アクセントは「て」に置く場合がほとんどで、物質としての「鉄」と区別される(関西での物質としての「鉄」と同じ発音)。 シンプルなため造語性が高く、列車に乗ることを趣味とする人(駅の周りを探索するいわゆるぶらり途中下車の旅を含む場合もある)を「乗り鉄」、列車の撮影を趣味とする人を「撮り鉄」と呼ぶように、鉄道趣味の種類を補ってファンのジャンルを区別する呼び名もある。 さらに派生語として、鉄道に関する情熱の度合いを「鉄分」と表現し[要出典]、鉄道ファンでない人を「非鉄」と鉄道ファンが呼ぶこともある。また、漫画『鉄子の旅』の影響で、女性の鉄道ファンを「鉄子」と呼ぶこともある。 「鉄道趣味者」「鉄道愛好者」「鉄道愛好家」 「鉄道ファン」の和訳とでも言うべき呼称。一部で用いられるが、日本語として据わりが悪いためか、鉄道ファンや鉄道ファンをターゲットにした分野で使われることは少ない。 「鉄キチ」 「鉄道キチガイ」の略。類語として「汽車キチ」などもある。現代では差別的と見られるものであるが、文脈上は必ずしも明確な差別意識を持って用いられるとは限らない(実際、『汽車キチ昭和史 車窓からみた日本の50年』(中村薫著、1987年)という鉄道の書物がある)。「○○キチ(カーキチ、釣りキチなど)」という呼び方は、昭和40年代頃広く用いられた用語であるが、鉄キチも含め現在は廃れている。 「鉄道マニア」 昭和30年代頃までは普通に鉄道ファンを指す呼称として用いられており、ファン自身が通常の言葉として用いている例も多い。先述の通り、少なくとも当時は「鉄道ファン」よりも一般的な用語であった。しかし後述するようなファンの質の低下により「マニア」の語が持つ差別性がクローズアップされ、次第に蔑称的なものとして認識されるようになった。 現在も、特に他者に対して差別意識なしにこの語を使用する人も多く、必ずしも「蔑称」とは言い切れない面があるが、否定的な文脈での使用例が多いのも事実であるため、こう呼ばれることを好まない鉄道ファンも多い。 なお英語の「Railway Mania」は日本語でいう「鉄道マニア」のことではなく、鉄道の創成期に鉄道敷設や鉄道会社への投機に熱中した「鉄道狂時代」のことを指し、鉄道趣味とは関係ない。 「鉄道オタク」「鉄道ヲタク」 卑称・蔑称のうち、最近広く用いられているもの。 「オタク」「ヲタク」という語の浸透とともに起こったもので、「一般人にはよく分からないディープな世界」である鉄道趣味の性質をいわゆる「オタク」と混同して作られた語である。 上記をさらに略した「鉄オタ」「鉄ヲタ」という呼称もある。一般に、より卑下の度合いが強い語として扱われる。
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