日本におけるゴム製造の始まりとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 日本におけるゴム製造の始まりの意味・解説 

日本におけるゴム製造の始まり

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 13:39 UTC 版)

ゴム」の記事における「日本におけるゴム製造の始まり」の解説

日本における近代的ゴム工業は、明治19年(1886年)に「土谷護謨製造所(のち三田ゴム)」によって加硫ゴム生産成功したことに始まる。創業者土谷秀立(1849-1919、松前藩家老勘定奉行田崎忠純の子土谷太郎養子) は、松前藩収入源としていた沈没船引き上げ海産物採取などを通して輸入品ゴム潜水服知り明治維新上京し実の兄弟である田崎忠篤、忠恕長国とともに東京市浅草区神吉町(現東京都台東区東上野5丁目15番地)で海産物採取潜水用ゴム衣の修繕生業とした。 ゴム衣やゴムホースはすべて輸入品であったため兄弟ゴム研究始め明治16年ゴムのり作ることに成功した当初アメリカから輸入したパラゴム天然ゴム)を細かく切って揮発油浸して膨潤させ、硫黄革やリサージなどを加えて長時間練ることでゴムのり作り、それを皿に移して乾かし綿棒のばしてゴムシートにしていた。 その後、独自の熱加硫方法考案し明治19年土谷土谷護謨製造所創立明治23年頃には田崎長国)が東京職工学校の手精一教授米国視察同行し原動機によるゴム練り蒸気による加熱、型の使用について知見得た明治25年には土谷ゴム改組して、土谷田崎三兄弟意味する三田土護護製造合名会社」に改称東京市本所区中ノ郷業平橋(現東京都江東区業平橋)にロール保有する本格的工場稼働させた。防水ゴム布のほか、ホースエボナイトなどの工業製品ゴム玩具ゴム靴製造し日清戦争・日露戦争が始まると軍需品製造し発展した明治33年には、明治護謨製造所(現明治ゴム化成)が設立された。 原料となるゴム栽培は、1875年明治8年)頃から原産地南米からインドシンガポール試植されはじめ、その後マレー半島などで栽培されるようになった日本では1897明治30)年以降台湾へ移植試みられ、1902(明治35)年には、マレーにおけるゴム園の経営初め日本人進出し、1903(明治36)年にマレー半島スレンバン付近に笠田直吉中川ゴム園を買収したのが、日本人南方でのゴム栽培嚆矢であるとされている。 その後南方在住日本人商人日本からの企業など乗り出し米国自動車産業急成長により1910年明治43年)頃にゴム相場急騰すると、日本人によるゴム栽培事業本格化した。これ以前よりマレー連邦政府国籍問わずゴム植付助成金貸付など栽培支援をしており、またジョホール王(ms:Sultan Johor)が日本人ゴム栽培業者に対して特に好意的であったことも進出拍車をかけた。三菱財閥系の三五公司筆頭に、三井藤田古河森村などの財閥企業進出し1911年にはマレーでの日本人経営ゴム園は79数えたが、第一次大戦後ゴム価格急落し、その多く撤退した

※この「日本におけるゴム製造の始まり」の解説は、「ゴム」の解説の一部です。
「日本におけるゴム製造の始まり」を含む「ゴム」の記事については、「ゴム」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「日本におけるゴム製造の始まり」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

日本におけるゴム製造の始まりのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



日本におけるゴム製造の始まりのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのゴム (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS