日本におけるゲイ文学とは? わかりやすく解説

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日本におけるゲイ文学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 06:51 UTC 版)

ゲイ文学」の記事における「日本におけるゲイ文学」の解説

日本では古代から江戸時代まで古典文学男性同性愛取り上げた作品多くあり、研究書書誌多く出ている。いくつか例を挙げる江戸時代では、平賀源内の『根無草/根南志具佐』や『乱菊穴捜』、上田秋成雨月物語』に収められた『菊花の契』、『青頭巾』などがあった。 明治時代以降では、ゲイ文学とまではいえないが、森鷗外の『ヰタ・セクスアリス』では学生寮美少年愛好振り描かれ夏目漱石『こゝろ』では主人公成人男性微妙な感情描かれている。谷崎潤一郎は『陰翳礼讃』で大名衆道取り上げ美少年憧れ感情理解できるとし、他にも美少年登場させた小説を遺している。ノーベル賞作家川端康成にも少年同士同性愛的な関係を描いた少年』などがある。 日本ゲイ文学除外できないのは三島由紀夫作品である。彼は『仮面の告白』で少年時代同性への恋慕赤裸々語り、『禁色』では昭和20年代(1945-1954年)の日本同性愛世界鮮やかに描き同作日本ゲイ文学金字塔評されるそのほか三原色』や同性愛者体育教師男子生徒との濃密な性愛切腹描き長年三島作品だとされてきた『愛の処刑』などがある。2005年、『愛の処刑』の直筆原稿見つかったことで同作三島作と確定した因みに愛の処刑』は「アドニス別冊小説集「APOLLOO」に載ったもので、そこには三島由紀夫から頼まれイラストレーター三島剛が挿絵を4作寄せている。 その三島が称賛し、「第1回日本文学大賞」を受賞した稲垣足穂少年愛の美学』(徳間書店)も有名である。福永武彦草の花』は一高時代下級生美少年との淡い恋と失恋綴られ江戸川乱歩孤島の鬼』では、主人公男性想いを寄せる美青年苦悩描かれる乱歩は足穂とも親交があり、岩田準一と共に男色研究家として知られるが、『少年探偵団シリーズ』の明智探偵小林少年の関係は、どことなく同性愛的なムード感じさせる中上健次作品にも『奇蹟』(1989年)、両刀男娼描いた讃歌』(1990年)、『異族』(1993年未完)などがある。橋本治桃尻娘』にも明るく爽やかなゲイ登場する橋本評論蓮と刀」でもゲイについてかなり踏み込んだ考察加えている。 平成時代から、1989年には比留間久夫新宿二丁目舞台にした小説YES・YES・YES』が文藝賞受賞し週刊誌などで大きな話題になった比留間久夫2作目ゲイニューハーフ描いたハッピー・バースデイ』(1990年)も話題集めた西野浩司のゲイ短篇集ティッシュ』(1995年)、『息子』(1997年)も話題呼んだ。『の~』は「これ以上、君はなにが欲しいっていうのさ。果てるまでの快楽と僕の体液以外のなにを」と、男と男の濃密な性愛ポップに描いた1996年には高校男性教師男子生徒との同性愛関係描いた福島次郎バスタオル』が第115芥川賞候補になった。この作品SEXの度に精液拭って押入れ放り込んでいたバスタオルタイトルになっており、宮本輝石原慎太郎絶賛している。

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