握り部の形状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/22 01:43 UTC 版)
一般的に握り部は樹脂製だが、形状には、円形、正三角形、縦長の二等辺三角形、ボール型など様々なものがある。 環状丸型(円形) 卵型(楕円形) 三角型(通称、おにぎり型) 三角型(通称、アイロン型) 五角型(通称、ホームベース型) 四角形 球形(ボール型) その他ハート型 招き猫型(東急世田谷線) ミッキーマウス型 さかな型 イカリ型 そうにゃん型 丸形は握りが列車の進行方向と平行に設置されることが多いのに対し、三角型(おにぎり型)は垂直に設置されることが多い。個体の形状にもよるが、総じて丸型よりも三角型の方が握りやすい。三角型(アイロン型)は家庭用アイロンの握り手をヒントに開発され、1933年頃の大阪市営地下鉄ではすでに採用されていた。後に丸形型が主流になったが、1970年代中期以降に東京圏・大阪圏の国電で比較的多く採用された。この時のものは列車の進行方向と平行に設置され、握りの部分が湾曲しているなどの工夫が見られたが、握りと広告スペースのスリーブが一体成型となっており、首振りの自由度が低く、乗客の疲労度は大きい。人間工学的見地から、1982年以降の新造車では再び丸型に戻されている。 三角型(おにぎり型)は帝都高速度交通営団(営団地下鉄)および後身の東京地下鉄(東京メトロ)でも、1980年代以降の新造車に多く用いられているが、こちらは人の腕の動きに合致した、進行方向に対し垂直(枕木方向)の配置であった。もとより、東京メトロ車両は東京地下鉄道としての開業時から垂直配置である(下記のリコ式を参照)。以降関東地方の鉄道事業者ではつり革を三角形・垂直配置とした車両が多くみられる。 球形の握りは日本では見かけないが、ロンドンや香港などで採用されていた例がある。しっかり握るには、十分な握力が必要である。 珍しい部類として、舞浜リゾートラインや香港MTRの迪士尼線(ディズニーランドリゾート線)では、ミッキーマウスを模した丸い耳が左右に付いた握りが、また西武30000系電車では卵形が、相模鉄道の9000系(リニューアル車)、20000系、12000系では自社開発の楕円形の独自の握りが、相鉄線の一部では相鉄のマスコットキャラクター「そうにゃん」型の握りが、マカオのバスなどでは透明な四角形のプレート状、オーストラリアの路面電車では錨型が採用されている。 伊豆箱根鉄道などでは、全車両につき1本などのごくわずかなつり革の持ち手をハート型にしたものが用いられている。西武鉄道では、社員による観光案内チーム「西武鉄道♡恋まち」により、「幸せをつかむハートリング」と名付けられている。どの車両に用いられるかは多くは公表されておらず、希少であることから「見つけるとハッピーになる」「一緒に握ったカップルは幸せになる」といった恋愛成就のラッキーアイテムとされ、乗客の口コミによる集客を狙って設置されている。また、JR東日本、叡山電鉄などでも、バレンタインデー前後の期間限定企画としてハートのつり革が設置された。もともとは2011年に伊豆箱根鉄道駿豆線で運輸課社員の企画により始められたもので、その後京王電鉄など全国の鉄道会社に同様の企画が派生した。駿豆線のハートのつり革は2014年のテレビドラマ『ごめんね青春!』(第4話)にも登場している。
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