戯曲―「戯曲集団」としての人形浄瑠璃とは? わかりやすく解説

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戯曲―「戯曲集団」としての人形浄瑠璃

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 14:22 UTC 版)

竹本織太夫 (6代目)」の記事における「戯曲―「戯曲集団」としての人形浄瑠璃」の解説

太夫語りも、三味線も、すべては戯曲立体化するための手にすぎないと僕は思ってます。人形浄瑠璃にとって一番大事なのは戯曲であって、つまり「戯曲集団」あるがゆえに、人形浄瑠璃民衆愛さ続けて来たわけです。加えて大事なのが、上方生き続けてきたということ例えば、文楽の『摂州合邦辻』は、謡曲の『弱法師』や説教節の『しんとく丸』を脚色して作られ作品で、現代では蜷川幸雄さん演出舞台身毒丸』にもアレンジされています。さらにもとをたどっていくと、『今昔物語集』にも出てくるアショーカ王の話や、ギリシャ悲劇の『オイディプス王』とも似ているのです。母と息子結婚邪恋盲目追放放浪といった共通の要素があり、これらの物語繋がりがあることを感じますギリシャ悲劇インド伝わりシルクロード通って日本玄関摂津国現在の大阪)の住吉の津に上陸した。そこで上方芸能取り込まれて、大阪人徹底的に人形浄瑠璃化したわけです。俊徳丸浅香姫などの登場人物の名前も、大阪地名からとっていということは地元の人ならすぐに気づくでしょう大阪商業の街。商いしてなんぼ土地柄なんです。そこでいろんなものを持ち込んで作り直すという作業大事になってくる。そもそも人形浄瑠璃は、竹本義太夫1684年大阪竹本座開いて興行として成立させたわけですが、その発展は、近松門左衛門出現なしには考えられません。近松取り入れた合作制度は、新しドラマツルギー戯曲制作手法)を生み出しました。そのコアになったのが「趣向」です。趣向脚本変化もたらし構成複雑化させた。事件の展開意外性盛り込み入り組んだ人間関係構築することで、戯曲はより魅力のあるものになっていきました。やがて義太夫は芸に専念し浄瑠璃作者でもあった竹田出雲座本担当し近松座付浄瑠璃作者として才能発揮するという三者提携体制確立していきます。 これは、興行という、システム進化ですよね。演出でも、現在の文楽人形三人遣いですが、人形浄瑠璃成立した当初一人遣いだった。三味線も、伴奏楽器から演出効果楽器になり、三味線の手数や技巧もどんどん工夫され進化した。こうして考えると、人形浄瑠璃今までたどって来た道はすごく革新的だったんです。同じ戯曲歌舞伎趣向面白いと思ったら、それをまた逆輸入し取り入れてるという例もたくさんありますよ。 文楽戯曲不条理な悲劇が多いのは、「人間あるがまま本質描いているから」だと思います浄瑠璃作者は誰か徹底的に悪人描いたり、反対に極端な善人描いたりはしていないんです。「人間というのはこんなもんだ」という普遍的なテーマに、登場人物にふさわしい言葉や行為を用意してそれぞれの人物像について通りもの解釈ができるようになっている人間心というのは複雑で、簡単に理解できるものではない、ということでしょう

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