戯曲―新作観
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 14:22 UTC 版)
「竹本織太夫 (6代目)」の記事における「戯曲―新作観」の解説
僕自身は、古い戯曲の再構成を含めて、近代や現代の新しい戯曲が、もっとたくさんあって良いんじゃないかと思っているんですよ。というのも、以前、実験公演として浄瑠璃とコンテンポラリーメディア・アートとのセッションをした経験からなんですが。最近は僕のまわりでも、いろんな人達が関わりはじめていて、ボリス・ヴィアン『日々の泡』を戯曲化しようなんて話が出てたりもします。 私の新しい戯曲は、『現代草子 伊曽保物語』という作品で、『ジャータカ物語』という5世紀ごろの聖典のなかにある「力ある鷲の慢心」という物語を軸に、『イソップ物語』のいくつかの寓話を入れ込みつつ、日本人が古くから用いてきた変換の法則を僕なりに駆使して構成、脚本化したものです。『イソップ物語』は、日本には1593年にポルトガルの宣教師によって伝えられたのが最初ですが、1659年に挿絵入りで刊行された『仮名草子伊曽保物語』では、キリシタン思想をオブラートに包んで、儒教や仏教に置き換えつつ巧みに教訓を導き出しているんですよ。登場人物や動物も見事に日本のものに差し替えられていて、例えば「蟻とキリギリス」が「蟻と蝉」とかね(笑)。ベースになるものがあって、それを巧みにご当地ものに置き換えていくという、本来日本人が得意としてきたやり方をうまく使って、もっといろんなことができる可能性があると思いますね。
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