後年の各種改造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/28 19:31 UTC 版)
「名鉄モ3350形電車 (初代)」の記事における「後年の各種改造」の解説
1960年(昭和35年)より、本系列全車を対象に重整備工事と称する車体各部の更新修繕工事が施工された。 初期に施工されたモ3650形および3603編成は外観上の変化は軽微に留まったものの、1963年(昭和38年)以降に施工された3601編成・3602編成・3604編成の計6両については施工内容が深度化され、運転台位置の嵩上げによる高運転台化および前面窓の小型化・外板張り替えに伴う窓上隅部の直角形状化など、外観に大小の変化が生じた。そのため、モ3650形および3603編成を除く各車両は、重整備工事施工以降、原形の優美な印象が失われたとも評された。 同時に、ク2650形を除く全車について客用扉に隣接する転換クロスシート計8脚をロングシートに改装し、また3604編成のみは車内壁部を従来のニス塗り仕上げから淡緑色のラッカー塗り仕上げに変更した。その他、3603編成およびモ3651を除く全車を対象に戸袋窓のHゴム固定支持化が施工された。なお、他系列の多くが重整備工事に際して撤去した客用扉下部の内蔵ステップについては、本系列は全車とも存置された。 また重整備工事と前後して、前面貫通扉・乗務員扉・客用扉の鋼製扉への交換が順次実施されたが、これらは全車同時期に同内容にて実施されたものではないため、モ3602は全ての扉を交換した一方で、モ3601・モ3652は乗務員扉が後年まで原形のまま存置され、モ3651は後年まで客用扉が木製扉のまま存置されるなど、各車で差異が存在した。側窓のアルミサッシ化はモ3601のみ施工され、また3603編成およびモ3652は前面窓のみアルミサッシ化された。 複電圧仕様の3601編成 - 3604編成は、特急運用から撤退した後は各支線区の架線電圧1,500 V昇圧に際して乗務員の習熟訓練、および昇圧前後における運用車両入れ替えの円滑化に用いられたのち、1965年(昭和40年)3月の広見線・八百津線の架線電圧1,500 V昇圧をもって名古屋本線など幹線系統と線路が繋がった支線区の昇圧工事が完了したため、1965年(昭和40年)中に全編成とも複電圧装置を撤去した。 またモ3600形は複電圧装置撤去と同時に、主要機器の統一を目的として制御装置を従来のPB-2Aから名鉄AL車における標準機種である東洋電機製造ES-568-A電動カム軸式自動加速制御装置(直列7段・並列6段・弱め界磁1段)に換装し、モ3650形についてもES-568-Aへの換装が実施された。同時期には、名鉄におけるクロスシート仕様車の標準塗装が黄色がかったクリーム(ストロークリーム)地に赤帯を配した2色塗装に改められたことを受け、本系列全車を対象に塗装変更が実施された。 モ3650形と編成したク2650形2651・2652は、車体塗装こそ編成相手のモ3650形に合わせてクロスシート車仕様とされていたものの、車内座席は原形のロングシート仕様のまま存置されていたが、1969年(昭和44年)に客用扉間の座席を転換クロスシートに改装し、仕様の統一が図られた。 その後は、1975年(昭和50年)より前照灯のシールドビーム2灯化・前面ワイパーの自動動作化・車内照明の蛍光灯化が順次施工されたほか、1979年(昭和54年)にはモ3651を除く電動車の台車を7300系の台車換装に際して発生したD18台車に交換した。また、車体塗装は1970年代半ば頃より名鉄の保有する鉄道車両の標準塗装をスカーレット1色塗装とする方針が定められたため、本系列も全車とも順次スカーレット1色塗装に改められた。ク2650形2651・2652については、1976年(昭和51年)に車内照明の蛍光灯化が施工され、同時に客用扉に隣接する転換クロスシート計8脚を撤去して立席スペース化した。
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