強豪ブルーインズの復活
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「ボストン・ブルーインズ」の記事における「強豪ブルーインズの復活」の解説
2007-2008シーズンはジュリエン体制下で若手が伸び、ミラン・ルチッチ(Milan Lucic)、デイビット・クレイチ(David Krejci)といった選手がロースターに入り、頭角を現し始める。プレーオフにイースタンカンファレンス8位で進出し、このシーズン一度もレギュラーシーズンで勝てなかったモントリオール・カナディアンズとプレーオフ1回戦で対戦した。レギュラーシーズンの対戦成績から、カナディアンズの圧勝に思われたが、ブルーインズは粘り強い戦いで第7戦まで持ち込み、この経験がチームに自信を持たせることになる。なお、主力センターの一人、バージェロン(Bergeron)は10月27日に壁際でフライヤーズのランディー・ジョーンズ (Randy Jones) に背後からチェックされ壁に激突、脳震盪で当該試合以降のシーズン全試合を欠場した。 2008-2009シーズン、ブルーインズはマイケル・ライダー (Michael Ryder) をカナディアンスから、ミネソタ大学でケセルとプレーしていたブレーク・ウィラー (Blake Wheeler) をから新人として獲得した。また、2月にはチームの要となるベテランフォワード、マーク・レッキ(Mark Recchi)をタンパから獲得した。この年のブルーインズは、チームが上手く機能し始めたこともあり予想を上回る成績を上げる。イースタンカンファレンス1位(116ポイント)でプレーオフに進み、プレーオフ1回戦はカナディアンズに4連勝でスウィープ勝ち、カンファレンス準決勝でカロライナ・ハリケーンズを迎えた。レギュラーシーズン負けていない相手(4回対戦して4勝)に対して楽勝に思われたシリーズだったが、1戦目に勝利した後3連敗を喫し、その後2連勝するも第7戦の延長戦でスコット・ウォーカー(Scott Walker)にゴールを決められてシーズン終了を迎えた。スコット・ウォーカーは第5戦でアーロン・ワード (Aaron Ward) の顔面を殴って退場しており(Game Misconduct)、ウォーカーに決勝ゴールを決められたことにブルーインズファンは大きく落胆した。なお、この年はゴールキーパーのティム・トーマス (Tim Thomas) が最高セーブ率、トーマスとマニー・フェルナンデス(Manny Fernandez)がWilliam Jenningトロフィー(最小被失点)、デイビット・クレイチ (David Krejci) がNHLプラスマイナスアワード、チャラがJames Norrisトロフィーにノミネートされるなど、ブルーインズの復活を印象づけるシーズンとなった。 2009-2010シーズンは前年の飛躍もあり、Stanley Cup獲得への期待が高まる中での開幕となった。オフシーズンには2010年1月1日にNHLの屋外ゲーム「ウィンタークラシック」がフェンウェイパークでフィラデルフィア・フライヤーズを迎えて開催されることが決まり、記者会見が行われた。契約交渉は、サラリーキャップの余裕をもたせるためアーロン・ワードをカロライナにトレードで放出、交換で獲得したパトリック・イーブス (Patrick Eaves) をウェイバー公示に入れてデトロイトに移籍させ、フリーエージェントだったディレック・モリス (Derek Morris) を獲得した。また、センターのスティーブ・ベイジェン (Steve Begin) と契約を結んだ。多くの主力選手が残る中、チームで最多得点を上げていたフィル・ケセルは残留に難色を示し、開幕直前にトロントにトレードで放出されることが決まった。ディフェンスを重視し、ケセルに自由を与えなかったジュリエンとの確執が原因と言われている。10月20日にはドラフト交渉権との交換でバッファローからダニエル・パイレ (Daniel Paille) を獲得した。フェンウェイパークでの屋外ゲームはボストン中が盛り上がる大きな注目を集め、序盤は1-0とリードされていたものの終盤にマーク・レッキのゴールで追いつき、マルコ・スターム(Marco Sturm)が延長でゴールを決めて勝利した。NHLの屋外ゲーム「ウィンタークラシック」を2007-08シーズンに始めて以来初めてホームチームが勝利した記念すべきゲームにもなった。ケセルを放出したこともあり、この年は攻撃力低下に悩まされた。守備面はティム・トーマス (Tim Thomas) が不調だったものの控えの若手テュカ・ラスク (Tuukka Rask) が大活躍し、リーグトップの防御率1.97、セーブ率93.1%という驚異的な数字でチームを支え、チームを6位でプレイオフに導いた。プレーオフでは1月に獲得したミノスラフ・サタン (Miroslav Šatan) の活躍もあってセイバースに第1ラウンドで勝利し、カンファレンス準決勝ではウィンタークラシックでも戦ったフライヤーズに3連勝し、誰もがカンファレンス決勝ラウンドへの進出を疑わなかった状況からまさかの4連敗を喫し、ブルーインズファンは大きく落胆した。攻撃の要だったクレイチとスタームのシリーズ途中での怪我による離脱がリズムを崩した結果となった。ブルーインズを破ったフライヤーズはリーグ優勝を果たし、スタンレーカップに進出している。この年はイースタンカンファレンスの上位チームが次々と敗れた波乱の年で、レギュラーシーズン7位のフライヤーズと8位のカナディエンズの組み合わせだった。 2010-2011シーズンは、39年ぶりにスタンレーカップをボストンに奪還した記念すべきシーズンとなった。ブルーインズは、ケセルを放出してトロントから獲得した上位のドラフト権でタイラー・セギン(Tyler Seguin)を獲得し、前年不調に終わった守備のワイドマンと交換でフロリダからグレゴリー・キャンベル (Greg Campbell) とネイサン・ホートン (Nathan Horton) をフロリダからトレードで獲得した。また、2月にはオタワからクリス・ケリー、アトランタからリック・パベリー (Rich Peverley) 、トロントからトーマス・カブレ (Tomas Kaberle) をトレードで獲得し、スタンレーカップを勝ち取るのに十分な厚みを持つチームが完成した。チームはゴールキーパーのトーマス、守備のチャラとサイデンバーグ(Seidenberg, フロリダから2010年3月に獲得)、守備のうまいバージェロンを基軸とした失点の少ないホッケーを展開。中でもオフシーズンの股関節手術で柔軟性が戻ったトーマスの復活は大きく、レギュラーシーズン・プレーオフともにリーグトップの防御率、セーブ率で大きな貢献した。攻撃面では主力のセンター、マーク・サバードが2度目の脳震盪でチームを離れるなどの波乱もあったものの、ホートン、ルチッチ、クレイチのトップラインとルーキーのブラッド・マーシャンド(Brad Marchand)、バージェロン、レッキのセカンドラインの活躍でリーグ上位の得点能力を持つチームに生まれ変わった。また、接戦を制する力を持ったチームで、プレーオフ第1ラウンドのモントリオール戦、カンファレンス決勝のタンパベイ戦、スタンレーカップファイナルのバンクーバー戦は全て第7戦まで縺れながら勝利した。2011年6月15日、ブルーインズはカナックスとのスタンレーカップファイナル第7戦を4-0で勝利し1972年以来のスタンレーカップ獲得を果たした。マーク・レッキはこの試合を最後に引退を表明し、43歳のベテランはNHLの舞台を優勝と共に後にした。
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