対ソ侵攻計画とは? わかりやすく解説

対ソ侵攻計画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 03:52 UTC 版)

バルバロッサ作戦」の記事における「対ソ侵攻計画」の解説

1940年7月3日フランツ・ハルダー参謀総長参謀本部作戦部ハンス・フォン・グライフェンベルク大佐ソ連攻撃計画予備研究命じたその後ドイツ軍の各チーム作戦計画研究し8月5日ドイツ第18軍参謀長エーリヒ・マルクス(de:Erich Marcks (General))少将が「東方作戦草案」を参謀本部提出したマルクス案)。 マルクス案ではスモレンスク - モスクワ間とキエフ攻勢軸とし首都モスクワ奪取が「ソ連邦経済的政治的精神的中核であるがゆえに、国家としての統合機能調整機能喪失させる」と結論付けられた。グライフェンベルク大佐参謀本部次長パウルス中将協力のもと参謀本部ハルダ―も陸軍総司令部案(オットー)を立案した陸軍総司令部案(オットー)では特定地域特定都市占領重視されず、赤軍野戦部隊殲滅重点置かれた。ミンスクスモレンスクモスクワなどソ連主要都市敵兵力を誘引するための囮として位置付けられた。1940年12月5日ハルダ―は「オットー」を陸軍総司令部案としてヒトラー提出しヒトラー計画合意与え訓令起案ヨードル命じたドイツ軍高司令部のベルンハルト・フォン・ロスベルク(de:Bernhard von Loßberg (Generalmajor))中佐立案したフリッツ」とウクライナレニングラード奪取優先したいヒトラー意向考慮し最終計画案をヒトラー提出ヒトラー12月18日総統訓令第21号バルバロッサ場合」を発令した。 ・ロズベルク・プラン「フリッツ西部ロシアにおける陸軍集団装甲部隊遠く躍進させる大胆な作戦によって殲滅すべし。戦闘力を残す部隊ロシア奥深くまで撤退することは封じなければならないしかるのち猛然と追撃しロシア空軍空襲不可能となる地点まで到達すべし。作戦最終目標おおむねヴォルガ河アルハンゲリスクを結ぶ線において、ロシアアジア部分にたいする防止線を得ることにある。それによって必要な場合ドイツ空軍によりウラル山脈沿いに存在するロシア残され最後工業地帯無力化することも可能になる北欧鉱物資源依存しているドイツにとって運搬路であるバルト海生命線であり、レニングラード電撃的占領しソ連バルト艦隊無力化する必要があった。また農産物鉱物資源宝庫であるウクライナは「東方生存圏構想実現のためには欠かせない地域だった。経済的理由からヒトラーレニングラードウクライナ奪取こだわりヒトラー意向重視した陸軍総司令部レニングラードウクライナを第1目標位置付けた。しかし各目標優先度曖昧なままだった。中央軍集団白ロシア赤軍殲滅モスクワ進撃すべきなのか、それともウクライナレニングラードにむかうべきなのか作戦案では明らかにされなかった。中央軍集団司令官ボック元帥第3装甲軍集団司令官ホト上級大将明確な回答求めたが、参謀総長ハルダ―は回答はぐらかした戦略目標不明瞭さ開戦まで解消されることはなく、ドイツ軍モスクワ目前控えて見解割れることになる。作戦目標だけでなく戦争目標不明瞭だった1940年7月には戦争目標ロシア生命力を断つことだと明記されたが、12月ソ連邦屈服させることに変更された。開戦後1941年8月にはイギリス同盟国であるロシア無力化に変更され戦争目標ソビエト体制打倒なのかロシアという国家消滅させることなのかはっきりしなかった。

※この「対ソ侵攻計画」の解説は、「バルバロッサ作戦」の解説の一部です。
「対ソ侵攻計画」を含む「バルバロッサ作戦」の記事については、「バルバロッサ作戦」の概要を参照ください。

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