あまのさかほこ 【天の逆鉾】
天(あめ)の逆鉾(さかほこ)
- 伊弉諾尊は天の逆鉾なり、伊弉冊尊は滄海原(あをうなはら)なり。鉾を降して海をかき探る、鉾の滴りを阿浮曇と号す父の精なりなど云へる神道俗学者の古説に拠りて、男陰を「天の逆鉾」又は単に「逆鉾」と称し、尚逆鉾の一名に拠りて「天(あめ)の瓊矛(ぬぼこ)」とも呼べり。阿国歌舞妓の両儀舞の歌に曰く「生れ来し天の逆鉾滴りて人の命は露となりけり」、「海原(うなばら)や鉾の滴りなかりせば此迷ひある身とは生れじ」。又川柳に曰く「逆鉾の滴りおぎやアおぎやアなり」、『燭夜文庫』陰嚢箴の文中に曰く「山谷の間に隠居す、前に神国伝来天の逆鉾を安置し、後に弘法大師の掘抜井戸をたくばへたり」。
- 天の逆鉾、男陰の隠語。単に逆鉾ともいふ。又天の瓊矛(ぬぼこ)ともいふ。神代諾冊二尊の故事に出づ。「燭夜文庫」陰嚢箴の中に「山谷の間に隠居す、前に神国伝来の天の逆鉾を安置し、後に弘法大師の堀抜井戸をたくはへたり」とあり。狂歌「夜神楽に天の逆鉾ふり立てて、うづめの岩戸ねらふ広前」。阿国歌舞伎の両儀舞の歌に「生れ来し天の逆鉾滴りて人の命は露となりけり」同「海原や鉾の滴りなかりせば此の迷ひある身とは生れじ」とあり。「逆鉾の滴りおぎやアおぎやアなり」「逆鉾でおのころ島の種おろし」「逆鉾の先へ日本が寄る如し」「逆鉾がまたあし原を探りに来」。
天逆鉾
(天の逆鉾 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/19 14:01 UTC 版)
天逆鉾(あめのさかほこ、あまのさかほこ)は、日本の中世神話に登場する矛である。一般的に記紀に登場する天沼矛の別名とされているが、その位置付けや性質は異なっている。中世神話上では、金剛宝杵(こんごうほうしょ)、天魔反戈(あまのまがえしのほこ)ともいう。宮崎県・鹿児島県境の高千穂峰山頂部(宮崎県西諸県郡高原町)に突き立てられているものが有名である。
- ^ この際、本来長柄武器は刃を上にした状態が通常であるのに対し、刃を下に向けた状態、つまり逆さの向きで使ったため天逆鉾と呼ばれるという(村山 2006)。
天の逆鉾と同じ種類の言葉
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