塗り分けのパターン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 08:04 UTC 版)
80系では当初、車両前面の塗装塗り分けパターンに試行 も見られたが、最終的には窓上と窓下に円弧を描いた緑塗装とし、中央を菱形状にオレンジ塗装とするパターンとなった。こちらは「金太郎塗り」と呼ばれた。尚、正面3枚窓の80系一次車については後に金太郎塗りをやめ、窓上を直線で塗り分けた。また、中間車から改造のクハ85形については前面窓の上下とも直線塗り分けだった。 同系列以降に湘南色に塗装された電車としては、近郊形111系・113系、115系、急行形では153系・155系・159系・163系・165系・167系・169系の各系列が該当する。これらは前面に貫通路を備え、ほぼ共通したデザインモチーフの車両だが、系列ごとに車両前面の塗り分けパターンが異なっていた。111系・113系と159系は貫通路脇に向かって斜めの直線塗り分け、115系は貫通扉脇に小さなRを付けた直角塗り分けで、これらの近郊形3系列と159系はいずれも前面屋根部分についても緑色塗装となっている。153系・155系は前面がオレンジ色1色で緑色は側面のみ、165系・167系・169系は前面の下半分全体を貫通扉まで含めて緑色としている。ただし、165系のうち、クハ153形から改造編入されたクハ164形については前面がオレンジ1色のままだった。 民営化前後に製造された211系、213系5000番台、JR東日本が製造したE231系、E233系3000番台などはいずれもオールステンレス車両のため、湘南色の伝統を踏まえつつも、車体の全体塗装ではなく、窓下などに湘南色をイメージした帯を巻いている。基本的にこの色分けを踏襲した帯を使用しているが、民営化前後に導入された211系や213系5000番台とJR発足後に導入されたE231系やE233系3000番台などでは色分けなどが異なる。後者はJR東日本のコーポレートカラーである緑色の割合が多く、全体的に明るめの配色になっている。また、JR東海はキハ11形に211系・213系5000番台で採用されたタイプの帯色を採用し、103系や119系、キハ40形などの国鉄型車両も同様の塗装に変更された。これらの車両の地色は白色であり、帯色はJR東日本とは逆にJR東海のコーポレートカラーであるオレンジ色の割合が多い。この塗装は「(JR)東海色」とも呼ばれることがある。この塗り分けは佐久間レールパークに保存されていた旧性能電車クハ66形のカットモデルにも施されていた(閉館により現存しない)。 また、111系・113系用のグリーン車のうち、2階建車両として製造された車両(サロ124・125形)の一部には、当初空港連絡列車である「エアポート成田」として運用される横須賀・総武快速線での使用を前提とした車両があり、これを東海道線に異動した際にそのまま踏襲した車両がある。そのため、車両のシールの張り方で差違が見られる。→こちらも参照されたい。 80系以前の戦前製旧形国電(52系など)や70系サハ75形も1960年代にイメージアップのために一時湘南色に塗装されて飯田線などの運行に充当された例があった。しかし、湘南色はスカ色と異なり戦前形との相性が良いとはいえなかったことから、比較的短期間で再変更されている。 旅客用ではないが、事業用車クモユニ74形、クモユニ82形、クモニ83形、クモユ141形、クモユ143形、クモニ143形、クモユニ143形、クモヤ143形の各形式も湘南色に塗装された。これらは切妻高運転台の80系クハ85形と共通するデザインモチーフの車両だが、正面塗り分け線は急行形の165系に準じ、上半分橙色、下半分緑色の塗り分けだった。 また、1962年から1968年にかけて、瀬野八越えをする153系急行列車に補機を連結する為の控車として使用されたオヤ35形客車も湘南色に塗装されていた。
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