塗り分け調整
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 10:08 UTC 版)
全金属製車と半鋼製車の塗り分け線の相違全金属製車クハ85109(左)半鋼製車クハ86112(右) クハ86形300番台吹田工場塗装施工車 クハ86300番台塗り分け線の相違クハ86306 初期製造車仕様(左)クハ86302 増備車仕様(右) 湘南色の塗り分けは、全金属車体となった300番台車とそれ以前のウインドシル・ヘッダー付き半鋼製車体車とでは、車体構造や側窓寸法の相違から基本塗り分けラインが異なり混結運転時には美観の点で難があった。 このため高槻電車区(現・網干総合車両所高槻派出所)・岡山運転区所属車を担当していた吹田工場(現・吹田総合車両所)では、編成時の美観を第一に考えて300番台の塗り分けラインを在来車にできる限り合わせて塗装を行った。その結果、編成として見た場合は塗り分けラインのずれが目立たなくなったが、300番台車両単体では窓下のオレンジ色の部分が殆どなくなるなど不自然な点もあった。 300番台に対する吹田工場独自の塗り分けは1978年の岡山運転区配置車全廃まで続けられたが、この間に他地区へ転出した車両は以下の対応が採られた。 関東・東海地区への転出車:全般検査の際に元の塗り分けラインに復元。 広島運転所および下関運転所(現・下関総合車両所運用検修センター)へ転出した車両:担当工場であった幡生工場(現・下関総合車両所本所)が吹田工場の塗り分けラインで再塗装したため同一車両基地に塗り分けの異なる300番台が混在した。 またクハ86形300番台では以下2種類のバリエーションが存在する。 初期製造車:正面幕板部塗り分線を運行灯上部突起部分とする。 2次増備車クハ86316以降:突起にかからず塗り分け緑色の面積を減らす。側面上部の斜め塗り分け線角度を緩和。 本措置は晩年まで製造時のままとされた車両が多数であったが、飯田線での運用開始により浜松工場が検査担当となるとさらに以下の変則塗装が発生した。 運行灯部分が初期車と増備車の折衷タイプ:305・307 下部Ⅴ字部分曲線が左右非対称:301・305 下部Ⅴ字部分先端をステップ部まで延長:301・309・354
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