四方木工区本坑工事と1回目の出水事故とは? わかりやすく解説

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四方木工区本坑工事と1回目の出水事故

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 13:05 UTC 版)

中山トンネル (上越新幹線)」の記事における「四方木工区本坑工事と1回目の出水事故」の解説

四方木工区では立坑着工以来5年10か月要して1977年昭和52年12月にようやく本坑掘削工事着手した四方木立坑本坑面高付近に八木沢層が存在して、その湧水立坑工事大変な障害となったが、本坑周辺の地質地上からのボーリング調査だけでは把握することが困難であった。そのため立坑坑底設備準備している段階から、周辺に対してボーリング実施して地質調査行い下り列車に対して本線右側東側)に堅固な閃緑玢岩存在することが判明した。そこで工期短縮するため、本坑東側堅固な岩盤迂回坑を掘って八木沢層を迂回し隣接工区連絡を図るとともに注入作業を行う基地増やすことを狙った。こうして本坑掘削並行する形で、1978年昭和53年4月迂回坑に着手された。 迂回坑は大宮起点106 km759 m40の地点から分岐し四方木立坑から東へ伸ばしてその先曲がり新潟方は100 m大宮方は140 m本坑から下り列車に対して右側離れた位置本坑に平行に伸ばして行った当初このまま伸ばして本坑へ戻るようにする計画であったが、前方ボーリング探りながら掘削していき、八木沢層があることが判明する迂回するように曲げたため複雑な経路となった新潟方の迂回坑は1979年昭和54年2月23日全長822.9 mで本坑大宮起点107 km394 m74の地点到達して完成した。また迂回坑より本坑に近いところに本坑対す注入を行うための注入基地建設する工事行った。 こうして迂回坑と本坑並行して作業行っていた1979年昭和54年3月18日出水事故発生した。この時点新潟方は、迂回坑が本坑到達しその先大宮起点107 km481 mの地点まで掘削進んでいた。また立坑から直接新潟方への本坑106 km804 m地点到達していた。これに対して大宮方は、本坑106 km661 m地点迂回坑が410.4 m(本坑位置にして106 km455 m地点)まで掘削が行われていた。 出水事故起こしたのは、本坑掘削予定地点に対して側面から薬液注入実施するために、新潟迂回坑から分岐して掘削した注入基地であった1979年昭和54年2月21日までに107 km086 m地点まで掘削した時点で、やや風化した岩盤現れてきたために掘削中止し、その地点注入基地設置する準備進めていた。この時点では湧水はほとんどなかった。しかし3月16日になり100リットル/分ほどの湧水発見されたため補強作業開始された。17日には湧水が2トン/分に増加したこともあり、コンクリート覆工を行うことにし18日にその用意整った2130分に確認した時点ではまだ湧水量は2トン/分程度であったが、22時に確認した時点では80トン/分にも及ぶ濁流溢れだしていた。ただちに作業員非常呼集かけられ51名の作業員現場急行し出水阻止作業をしようとした。しかし出水現場注入基地にたどり着くのも困難な状況で、そのうち照明消えたことから現場へ行くのを断念しポンプ室変電施設死守方針切り替えた。それでもあまりに水量多く止水壁越えてポンプ室流れ込み始めたため、23時45分退避指令出された。ところが、ポンプ室への浸水により電気系統ショートしており、立坑エレベーターは動かなくなっていた。さらに立坑内の揚水ポンプ機能停止したため、中継ポンプ室から溢れた滝のようエレベーター降り注ぎエレベーター内は大混乱陥った地上では非常用発電機立ち上がったが、坑内電気系統ショートしているためすぐに停止してしまい、電気系統切り替えが必要とされた。担当している電気主任渋川市内の自宅におり、緊急連絡受けて現地自動車駆け付けたこの際に、現場までの山道全速走ったためにパトカー追跡を受け、それを振り切って現地駆けつけるほどであった電気主任系統切り替え作業により3月19日0時25分にエレベーター動き始めかろうじて51名は無事救出された。朝の8時35分の時点で、立坑の底から約250 mのところまで水位来て安定していることがわかり、四方木工区は完全に水没してしまった。 出水事故の原因は、注入基地建設の際にボーリング八木沢層までの間隔確認して掘削止める位置決めた際、間隔4 m程度確保したつもりであったが、ボーリング間隙被り薄くなっている地点があり、そこが水圧に耐えられなくなって崩壊し噴出したものと推定された。

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