史料価値
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吉川弘文館の『国史大辞典』では、山本武夫による「寛政重修諸家譜」解説においてその評価を次のように述べている。 「この系譜は近世最大の系譜であり、大名と幕臣の経歴は詳細であって、『徳川実紀』とともに重要な研究資料である。」 「文章は平易簡明である。また編者は諸家の呈譜をよく吟味し、疑問のある場合は、一応そのままに採録してあるが、その旨を記して慎重な態度を示している。ただし、出典は一々明記していない。」 また系譜研究家の豊田武はその著『日本史小百科・家系』において次のように評している。 『寛政重修諸家譜』の慶長期(1596年 - 1614年)以前に関する記述は幕臣木村高敦著の『武徳編年集成』に頼っているが、この書が徳川家康の一代記であるところから、信用度は諸家の呈譜に忠実な『寛永諸家系図伝』に比して問題点があるとする。 しかし、1603年(慶長8年)の江戸幕府成立以後の記述については正確であるとする。『寛政譜』の編者は事実の検討には注力しており、特に寛永の呈譜とその後の各家の呈譜とを比較し、それらの所説の異同をも掲げている点では評価される。 他に『寛政重修諸家譜』の編纂姿勢についての論文を書いた平野仁也は、『寛政重修諸家譜』を近世史研究者にとって必須の史料としたうえで、 幕府や諸家同士の記録で相互に矛盾がないか、確認作業を極力行っている。こうした姿勢は『寛永諸家系図伝』や『貞享書上』には見られず『寛政重修諸家譜』の特徴として良い。 『寛政重修諸家譜』の記述は誤りが多いとはいえないが、資料の収集や叙述の段階で幕府によって選択がなされ、過去を偏りなくありのままに描いているとは言えない。特に徳川将軍家に対し合戦などで忠誠を尽くした先祖の姿を詳細に記述することで、武家の頂点に君臨する徳川家と、身命を賭してそれに仕える家々という両者にとって好ましい関係を再認識させる目的があったと見られる。
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史料価値
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/23 14:07 UTC 版)
中国と朝鮮半島の地理的近さにより、双方往来は頻繁だったが、中国では朝鮮半島方面の著作はあまり多くはなかった。朝鮮半島関連著作としては『雞林記』、『雞林志』、『雞林類事』、『朝鮮賦』、『朝鮮図説』、『朝鮮志』、『朝鮮史略』等々があるが、これらの書物は些細な言及であったり、失われたりしているため、『宣和奉使高麗図経』のみが唯一内容が最も豊富であり、長く世に伝えられて、今日の古代中世中韓関係及び交通史の最も珍貴な史料となっている。本書で従来使われてきた「高句麗」に変えて「高麗」を用いたことは、その後の中国の史書に影響した。
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