労働組合、モリーズ、AOHとは? わかりやすく解説

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労働組合、モリーズ、AOH

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/30 03:25 UTC 版)

モリー・マグワイアズ」の記事における「労働組合、モリーズ、AOH」の解説

現在の研究者たちの間で、激しく論争されている論点のひとつは、労働者共済組合 (WBA)、モリーズ、そしてその隠れ蓑になっている噂された古ヒベルニア騎士団(Ancient Order of Hibernians, AOH) の関係である。歴史家ケビン・ケニーは、有罪判決受けた男たち全員AOHメンバーであったこと指摘した上で、しかし、「モリー・マグワイアズ自体は、その目的動機はもちろん、それが存在したという証拠さえ、事実上、何も残さなかった」と記している。 ジェームズ・マクパーランドは調査に入る前からもっていた個人的知識基づいて活動圧力加えられモリー・マグワイアズが、新たに Ancient Order of Hibernians (AOH) と名乗るようになったのだ、と考えていた。マクパーランドは調査開始後、スクールキル郡には AOH会員450人ほどいると推定していた。ケニーAOH を「平和的な社交組織」と見ているが、同時に1870年代ピンカートン探偵社が、ペンシルベニア州においてAOH会員が多い地域と、その地域多く移民送り出していたアイルランド地域との相関突き止めていたことも指摘している。アイルランド暴力的傾向が強い地域と、ペンシルベニア炭田暴力生じていた地域は、対応関係があるとされた。 ジェームズ・マクパーランドの足跡追った著書Big Trouble』の中で、アンソニー・ルーカスは次のように記している。 WBA運営していたのは、断固として暴力反対だったイングランドの)ランカシャー出身者たちだった。しかし、(ゴウエンは)労働組合にモリーズの色を塗る機会があると考え実行し、州の調査委員会そのように証言した...「私はこの労働者共済組合犯行及んだ非難しているのではありませんが、申し上げたいのは、夜、密かに誰それの命を奪うべしなどと投票するような組合存在しているということです...私はこの組合非難しているのではなく犯行実行したもうひとつ組合非難しているのであります。それから、撃たれ男たち労働者共済組合指示敢えて従わなかった男たちばかりでした。」 ピンカートン探偵社エージェントであるマクパーランドがスクールキル郡に存在していると推定した450人のAOH会員のうち、400人ほどは労働組合にも入っていた。しかし、ケニー次のような見方をしている。 モリー・マグワイアズ立場と、一人前成長した労働組合立場は、根本的に異な組織形態抗議形態とっていた。 ケニーまた、当時ペンシルベニア州産業統計局 (Pennsylvania Bureau of Industrial Statistics) が、労働組合と、モリー・マグワイアズによるとされた暴力とをはっきり区別していたことも指摘している。産業統計局報告書によれば暴力沙汰歴史南北戦争当時にまで遡ることができるが、WBA報告書時点結成から5年しか経っておらず、その間に「雇用者と非雇用者の間の関係」は大きく改善されてきた、とされていた。産業統計局は、労働組合存在が、「犯罪カーニバル」状態を終わらせたのだ、と結論づけている。ケニーはさらに、WBA指導者たちはモリー・マグワイアズに対して「常に、誰もが反対していた」ことも指摘してい。 ケニーは、続けて次のように述べている。 大多数アイルランド系炭鉱労働者WBA所属しており、1872年当時執行役員概ね半数アイルランド系の名前が占めていた。しかし、WBA加えモリー・マグワイアズ呼ばれる緩やかな組織存在しており、その構成員はアイルランド系だけであった...双方組織形態は...無煙炭地域における生活と労働条件改善しようとするものであった。しかし、労働組合戦略が、間接的段階的平和的なものであり、無煙炭地域広がる体系的な組織化目指していたのに対してモリー・マグワイアズのそれは直接的暴力的散発的で、特定の局地的な範囲留まるものであったケニーの見るところでは、熟練要する職の大部分占めていた(アイルランド以外のイギリス出身坑夫と、未熟労働従事する多数アイルランド系労働者の間には、しばしば緊張関係も生じていた。しかし、そのような相違にも関わらずWBA対立解決策提示し、ほとんどの場合において、相違克服していく「すばらし仕事をしていた」という。 炭鉱労働者であれば誰でも職種出身国信仰などに関係なく、WBA加盟することができた。結果的にWBA何人かの「モリー・マグワイアズ組織中に抱えていたに相違ないWBA組織には、AOHメンバー多数いたし、労働組合一部不満分子は、特に対立激化した1875年には、指導者たちの意向反して暴力好んだという証拠もある。しかし、WBA指導者には、モリーズに与する者はいなかったし、彼らは機会があるたびにモリー・マグワイアズ非難し労働争議戦略としての暴力非難していた。労働組合秘密結社構成員の間に、何らかの重なりがあったことは疑いないが、両者イデオロギーにおいても、組織においても、別物であったと見なければならないWBAとモリーズの関係がどのようなものであったにせよ、両者運命絡み合ったものになった—それは、少なくとも部分的には、権力ある立場にいた者の多くが、両者の間の違い認めようとしていなかった結果でもあった

※この「労働組合、モリーズ、AOH」の解説は、「モリー・マグワイアズ」の解説の一部です。
「労働組合、モリーズ、AOH」を含む「モリー・マグワイアズ」の記事については、「モリー・マグワイアズ」の概要を参照ください。

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