労働組合に対する炭鉱所有者たちの動き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/30 03:25 UTC 版)
「モリー・マグワイアズ」の記事における「労働組合に対する炭鉱所有者たちの動き」の解説
フィラデルフィア・アンド・レディング鉄道 (Philadelphia and Reading Railroad) やPhiladelphia and Reading Coal and Iron Companyの社長であったフランクリン・B・ゴウエンは、移民1世のアイルランド系アメリカ人で、プロテスタントであった。「世界一裕福な無煙炭炭鉱主」と呼ばれたゴウエンは、アラン・ピンカートンの配下を雇ってモリー・マグワイアズに対処した。ピンカートンは、アイルランド北東部(現在の北アイルランド)アーマー県出身のジェームズ・マクパーランド (James McParland)を選び、モリーズに対する秘密工作を進めさせた。マクパーランドによれば、彼はジェームズ・マッケンナ (James McKenna) という変名を用い、モリー・マグワイアズの組織に信頼された一員として潜入していた、という。マクパーランドの任務は、殺人計画や陰謀の証拠集めであり、その情報をピンカートン探偵社の担当者に渡すことだった。マクパーランドはまた、モリー・マグワイアズのメンバーを最終的に逮捕・訴追することを目指して調整をするため、私設警察 (private police) 組織「炭・鉄警察」(Coal and Iron Police) に派遣されていた別のピンカートンのエージェントと密かに連携し始めた。 1863年から1867年にかけて、スクールキル郡では50件もの不可解な殺人事件が起きていたが、その捜査は進捗していなかった。「地域全体が静けさに包まれ、それを破るのはささやかな銃声だけ」であった。 マクパーランドは次のように記している。 私はこの状況にほとほとうんざりしていた。何も進んでいる様子がなかったのだ。 ペンシルベニア州における無煙炭坑夫の85パーセントに相当する3万人が結集し、労働組合はますます強力になりつつあった。しかし、ゴウエンは自分たちの側の連携を築き、炭鉱経営者たちすべてを集めて無煙炭取引委員会 (Anthracite Board of Trade) という雇用者側の団体を結成した。鉄道に加え、ゴウエンはペンシルベニア州南部の炭鉱の3分の2を所有していた。彼はリスクを恐れない、野心に満ちた人物だった。ゴウエンは敵に打撃を与えて決着をつける決意を固めた。
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