凶笑面 蓮丈那智フィールドファイルI
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単行本:2000年5月発行 ISBN 4106026481 文庫本:2003年2月発行 ISBN 4101207216 鬼封会(きふうえ) 『小説新潮』1998年5月号掲載 都築常和という学生が那智に送ってきた1本のビデオテープ。岡山県K市の青月家に伝わる鬼封会という祭祀を撮影したものだった。修二会や修正会の類のようだが他の地域に伝わるものとは決定的な違いがあり、興味を持った那智は三國を引き連れフィールドワークへと赴く。だが、事前連絡の際は協力的だったはずの青月家が調査協力を断ってきた。青月家の長女・美恵子が正当防衛で都築常和を殺してしまったというのだ。都築常和:東敬大学の学生。博物館の学芸員を目指しており、那智に口添えを頼む。青月美恵子をストーキングしていた(?)。 青月美恵子:青月家の長女。ストーカーの都築を正当防衛で殺害(?)。 青月葉蔵:青月家の当主だが、入り婿であるため肩身が狭い思いをしている。 凶笑面(きょうしょうめん) 『小説新潮』1998年9月号掲載 明治時代、長野県北佐久郡H市の谷山家の当主が凶々しい笑みを湛えた「凶笑面」を手に入れて以来、村に不幸が相次いで起こったという。以来、面は蔵に封印されたが、現当主の玲子が骨董屋の安久津を通じて、面の民俗学的調査を依頼してきた。安久津とはあまり関わりたくない那智だが、面に深い関心を示し、谷山家を訪れる。だが翌日、蔵で安久津の遺体が発見され、その状況から玲子に疑いがかかる。谷山玲子:谷山家の当主。足が不自由。 安久津圭吾:民俗学の専門家や研究者らからは嫌われている骨董屋。玲子から蔵の整理を依頼されている。蔵で遺体で発見される。 甲山博:島根文理大学の民俗学専攻の教諭。同じように調査を依頼された。 服部ヨリエ:玲子の介添え人。 不帰屋(かえらずのや) 『小説新潮』1999年3月号掲載 那智が半年間ため続けたファイルの整理をしていた三國は、封印されたあるファイルを見つける。《不帰屋》、「女の家」をテーマに2年前に調査を行ったものだが、事件に巻き込まれ、公表を断念せざるを得なくなったものだ。その論文を読んだ三國は、『やはり蓮丈先生は何もかも解決していたのか…』と思うのだった。 自宅の離屋(はなれ)が「不浄の間」であったことを証明してほしいという護屋菊恵からの依頼。しかし翌朝、密室状態の離屋で菊恵の遺体が発見される。 2000年のザ・ベスト・ミステリーズ2000、2002年の大密室、2003年の嘘つきは殺人のはじまりなど多数のアンソロジーに収録されている。護屋菊恵:フェミニズムの提唱者としてテレビ出演もする40代の社会学者。那智に自宅離屋の調査を依頼する。 護屋クメ:菊恵の母親。病で床に伏せっている。 護屋総次郎・正恵:菊恵の兄夫婦。 坂本:案内役の老人。 双死神(そうししん) 『小説新潮』1999年10月号掲載 「だいだらぼっち」伝説の調査のため、中国地方のT県を訪れた三國。実は那智には秘密である依頼を受けていた。いずれは那智から独立せねばと考えている三國は、事情を告げずに一人で訪れたのだ。しかし、依頼人の仮説は三國の理解を超えていた。更に、依頼人が遺跡の崩落事故で亡くなってしまう。弓削佐久哉:無名だが地方史家を名乗る。未発掘の遺跡を発見し、三國に共同調査を持ち掛ける。 《狐》:“税所(さいしょ)コレクション”という謎の言葉を残し、危害が及ぶかもしれないと三國に忠告する。 税所篤:明治時代の政治家。県令の立場を利用して古墳の発掘(盗掘に近い)を行い、出土品をコレクションした。考古学界では、その暴挙のために名を知られている。 邪宗仏(じゃしゅうぶつ) 『小説新潮』2000年4月号掲載 東北での隠れキリシタンの調査を終えた那智の元に2通の手紙が届く。差出人はいずれも山口県**郡波田村の男性。村内の寺から仏像が見つかり、その調査を依頼したいという。一方に同封されていた「腕を切り落とされた観音菩薩像」の写真に興味を持った那智は山口県へ向かうが、差出人の一人・御崎昭吾が何者かに殺されていた。御崎昭吾:地方史に詳しく、発見された仏像の調査について相談される。遺体は仏像と同じように両腕を切り落とされた状態で発見される。 佐芝降三:村の助役。もう一人の差出人。 御崎広江:昭吾の娘。 三田村良夫:広江の母方の叔父。 生方伸哉:博多でイベント企画会社を経営する。
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