作成と開発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 20:24 UTC 版)
脚本家であり総監督の名越稔洋(左)は、八神のキャラクターのインスピレーション源として、複数の探偵小説、中でも『評決』のポール・ニューマン(右)を起用したという。 ゲーム『龍が如く6 命の詩。』で『龍が如く』シリーズの主人公、桐生一馬の物語を締めくくって以来、龍が如くスタジオのゲーム開発者たちは、この物語のために個性的なキャラクターを作りたいと考えていた。プロデューサーの細川一毅の呼びかけで、キャラクターは探偵に決定した。最大の影響を受けたのは、ポール・ニューマン主演の映画『評決』で、この映画では、ニューマン演じるフランク・ギャルヴィンが、弁護士としてのキャリアの中で八神と同様の危機に陥るシーンが描かれている。桐生と新主人公のコントラストを際立たせるために、スタッフは八神をより親近感のあるキャラクターに育てようとした。龍が如くスタジオは、探偵小説の人気を背景に、ゲームを進めていく中で、プレイヤーと一緒に知識を深めていく人物として八神を描いている。セガは八神を「周囲の圧倒的な絶望の中でも、自分の信じることのために戦う信念のある男」と表現した。八神の戦い方は、中国の武術をモチーフにしている。 総監督で脚本家の名越稔洋によると、この探偵のアイデアは、韓国映画を中心に複数の影響を受けているという。細川は、刑事ドラマを題材にしたゲームが少ないため、八神を目立たせたいと考えていたが、新しいキャラクターを作ることは大きな課題であると認識していた。桐生の後継者にふさわしい主人公を作るために、細川は「ノワールの雰囲気に合うように、より地に足の着いたキャラクターにしたい」と考えていた。またこうも語っている。 「物語を書いているときに、昔からのキャラクターがしっかりしていると、そのキャラクターが次の展開を決めるんですよね。それに対して八神の場合は、開発当初は何の愛着もありませんでした。同じシリーズを長く続けてきた開発チームにとっては、挑戦であると同時にチャンスでもありました。」 主人公には街とのつながりを大切にしてほしいというスタッフの思いから、八神が神室町の住人と仲良くなって絆を深めていく「フレンドシップシステム」というゲームシステムを導入した。開発者らは、メインストーリーでは八神の性格の一面を探求し、サイドクエストでは、シリアスとコメディのバランスを求めるファンにも楽しんでもらえるように工夫した。細川は、八神と他のキャラクターとの絆を大切にしているため、『JUDGE EYES』の中でも、フレンドシステムを最も気に入っている部分の一つと考えていた。そのため、細川は、八神と町や人々との強いつながりがあるため、『JUDGE EYES』の続編の舞台も神室町にしなければならないと考えている。これまでの『龍が如く』の主人公は神室町への単なる訪問者であることが多かったのに対し、八神は神室町に住む一般市民として描かれており、彼の社会生活をより深く掘り下げることができた。 ローカライゼーションプロデューサーのスコット・ストリチャートは、ファンに対して、桐生や真島吾朗のようなこれまでの『龍が如く』のキャラクターが恋しくなるかもしれないが、「超頭脳明晰で、鋭いウィットを持っていて、自分の欠点も抱えている人間、彼自身」と表現する八神を受け入れてくれることを期待していると語った。八神と元恋人の藤井真冬の関係は、そのロマンスは『JUDGE EYES』のスリルを損なうと名越が判断したため、開発中に変更された。また、名越は、木村拓哉が欧米では人気がないため、英語圏でのこのゲームの人気に疑問を呈している。発売後、セガのスタッフは、もし『JUDGE EYES』の続編が出るとしたら、引き続き、八神と相棒の海藤正治が主役を務め、神室町を舞台にしていいのではないかと考えた。
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