作品・史伝
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メリメは『ジャックリーの乱―-封建時代の劇』とそれに続く、1828年に『カルバハル家の人びと』、翌29年に『シャルル九世治世年代記』を匿名で発表している。以後は短篇小説、中篇小説、歴史的逸話、考古学の紹介文、文学研究を自分の名前で発表するようになる。これらはまず『パリ評論』『両世界評論』に相次ぎ掲載され、それから個別の題名もしくは一括した題名の一巻本として刊行された。以下はほぼその順番での記載。 『タマンゴ』 『堡塁奪取』 『イールのヴィーナス』 『煉獄の魂』 『シャルル11世の幻想』 『トレドの真珠』 『バックギャモンの勝負』 『エトルリアの壺』 『二重の誤解』 『アルセーヌ・ギヨ』 『マテオ・ファルコーネ』 『コロンバ』(1830年 - 1840年) コルシカ島が舞台 『カルメン』(1847年)- 日本語訳書は多数、リンク先参照どれもが波乱と興味深さと独創に満ちたこれらの物語は、メリメが決定的に獲得していた控え目で洗練された文体によって特に洗練された読者層に喜ばれた。 単行本として刊行された『旅行記』や『考古学的視察の報告』の他にも歴史関係では以下の著作があり、一部が訳・出版された。 『ミシェル・セルバンテスの生涯と作品紹介』(1828年) 『階級戦争試論』(1841年) 『カスティーリャ王ドン・ペドロ一世伝』(1843年) 『偽のドミトリー ロシア史の逸話』(1852年) 『歴史・文学論集』(1855年)の一冊に12のさまざまな習作と、『紹介文』『序文』『序説』が収められている。その中でも特に『二つの遺産』とそれに続く『総監』『探検家の登場』(1853年) 『マリノ・ブレトの短篇と詩篇・序説』(1855年)など。 また単行本化されなかった雑誌記事が若干ある他、死後に出た文集『未知の女への書簡集』(1873年)は好奇心の大きな的となり、続けて『もう一人の未知の女への書簡集』(1875年)が出た。 『メリメ全集』(杉捷夫・江口清ほか訳、河出書房新社、1977〜79年)が出版された。なお当初は全7巻予定だったが、6巻目まで刊行であった。第1・2・3巻は小説、第4・5巻は史伝、第6巻は「人物評論・美術評論・紀行文」。未刊行の第7巻は「書簡・雑文」であった
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