仙石線向けアコモデーション改善工事
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 03:51 UTC 版)
「国鉄103系電車」の記事における「仙石線向けアコモデーション改善工事」の解説
103系ドアブザー(北側) 103系ドアブザー(南側) これらの音声や映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声・動画の再生をご覧ください。 国鉄時代より在籍していた仙石線の103系は非冷房の初期車が多かったことから、JR化後の1989年より首都圏への205系投入で余剰となった車齢の浅い103系冷房車が転入し、初期車が置き換えられた。 仙石線への転用に際しては、首都圏における車両更新工事の内容に加えて、仙石線の事情を考慮したアコモデーション改善工事が施工された。改造に伴う区分変更・改番は行われていない。一部は冷房化率100 %を早期に達成するため、未更新のまま入線した車両もある(その後、改めて改造を施工して再入線している)。 前面は窓が2枚窓となり、運行番号表示器は列車愛称・種別表示器に交換された。郡山工場への入場回送用の標識灯掛けも前面下部に設置されている。塗装は上からアイボリー・青(太線)・スカイブルー(側扉はアイボリー単色)に変更された。AU712形による冷房改造車では、側面方向幕が未設置の車両にも更新時に方向幕が設置された。偶数側クハに関しては、AU712で側面幕が搭載された唯一の例となっている。 窓は上段下降・下段固定のユニット窓に交換され、ドア窓の大型化などが行われた。扉はボタン式の半自動ドアとなり、ドアブザーの設置が行われた。座席はバケットシート化され、袖仕切が設置された。内壁も張替が行われ、先頭車にはゴミ箱も設置された(のちに撤去)。 最終投入車で1994年投入のRM-155編成は、首都圏で更新済みであったことなどから工事が簡略化され、ユニット窓化と客用引戸の交換が省略された。 1998年には、105系の置き換えのため、車両更新工事施工済みの4両編成2本(RT-299・371編成)が京浜東北線より追加転入した。先頭車は高運転台のATC車、中間車は非ユニット窓車であり、この編成も窓とドアの交換が省略された。先頭車はATC機器の撤去と戸袋窓の設置、前面のステンレス飾帯の撤去が行われている。塗装もこの高運転台車編成で白にコバルトブルーを配した「SENSEKI LINE色」に変更され、のちに従来車も変更されている。 のちにRT-105・107・131・235編成ではモハ103形に霜取り用のパンタグラフが増設され2基搭載となり、2000年には扇風機やベンチレーターの撤去も施工された。 2002年より205系3100番台への置換えが開始され、103系は2004年7月までに運用を終了し、RT-235編成を除く17編成が廃車・解体された。RT-235編成は2007年に仙石線での運用を再開し、2009年まで運用された。
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