仙波敏郎とは? わかりやすく解説

仙波敏郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/28 06:12 UTC 版)

仙波 敏郎(せんば としろう、1949年昭和24年〉2月14日 - )は、日本警察ジャーナリスト内部告発者愛媛県警察の元巡査部長鹿児島県阿久根市の元副市長[注 1]。「警察見張番・愛媛」代表。2005年、現職警察官として初めて警察の裏金問題を実名で内部告発した。


  1. ^ 副市長任命の適法性に関しては、本文後述のように多くの批判や疑問の声が上がったが、任命者である竹原信一市長の次に就任した西平良将市長が副市長解任辞令を交付したことにより、一応の決着を見たかたちとなった。
  2. ^ 検察側は、上司からの度重なる注意を根に持っての逆恨みによる計画的殺人であると主張。いっぽう長男は「署長が自分を消防署屋上に呼び出し包丁を手に辞職を迫ってきた。その包丁を取り上げようとして揉み合いになり混乱の中で刺してしまった」と主張した。長男は、1995年1月に、所定の年次休暇を利用してモーターショーに出かけたことを知った上司から訓練中に暴行を受け、全治1週間の怪我を負った。仙波の働きかけもあり、この件について消防署側は非を認め謝罪したが、長男は前回の異動からわずか6カ月後の同年4月に異動させられ、異動後すぐ特別指導の対象者に指定された。裁判では、検察側の主張が全面的に認められ、一審で懲役12年の判決が下り、控訴・上告ともに棄却され刑が確定した[1][2][4]
  3. ^ 大量の花や寿司が届けられる、架空の結婚式を予約されキャンセル料を請求される、「人殺し」と叫ばれ窓ガラスが割られる、飼い犬が石を投げつけられ殺される、車を壊される、自宅や職場に誹謗中傷の電話がひっきりなしにかかってくるなど。また親戚と疎遠になり、京都の大学に在学中だった次男は家庭教師のアルバイトをすべてクビになった[1][2][4]
  4. ^ 尾行にはNシステムセコムが開発したGPS発信装置が利用されている可能性が高いという。郵便物が持ち去られたこともあり、電話や電子メールが傍受されている可能性も高いという。仙波の告発後、愛媛県警は通信傍受技術に精通したNTT職員を警察官として採用し、高額の通信傍受用機器を納入している[2][5]犯罪捜査のための通信傍受に関する法律も参照。
  5. ^ 告発当日の愛媛新聞朝刊1面にその日告発する予定だった内容とほぼ同趣旨の記事が掲載されていた。告発の意義を薄めようとする意図とみられる[2][6][7]
  6. ^ 仙波は記者会見で「(県警を)辞めるときは死ぬときだ」と発言し、告発後も県警に残って戦うとの強い決意を示したが、この発言を県警は「自殺の恐れがある」と解釈して拳銃の没収を決めた。仙波は規定どおり武装しているように見せるため、やむを得ず自費でエアソフトガンを購入し代わりに携帯した。
  7. ^ 本庁の「室主任」 は通常は警部補級のポストである。当初は机、電話も用意されず、同年4月1日まで職務の明文規定もなかった。4月1日以降もわずかな仕事しか与えられず、勤務中はよく窓から松山城を眺めて過ごしたという[1][2][5]
  8. ^ 県警側は賠償金100万円を廊下で手渡そうとしたが、仙波は本部長の謝罪が先だとして受け取りを拒否、県警は賠償金を松山地方法務局供託した。退職時に仙波は、この賠償金を原資に自著などを300セット購入し全国の図書館に寄贈する意思を明らかにした[8][9]
  9. ^ 仙波が説明のため記者クラブに配布した資料を県警の警官が回収、記者クラブ加盟社はどこもこの件について報道しなかった。
  10. ^ 片山は自治省の官僚を長く務め、そこから鳥取県知事に転身、知事退任後は慶應義塾大学の地方自治、地方財政、地方税担当の教授となるなど、地方自治に造詣が深い。なお仙波によると、片山は慶大教授時代に「地方自治法には100人100通りの解釈がある」と述べている[22]
  11. ^ 放送局に放送をしないよう圧力がかかり、仙波を逮捕することで放送を阻止しようとする動きもあったという[48]
  1. ^ a b c d e f g 『警察VS警察官』
  2. ^ a b c d e f g h i j k 『現職警官「裏金」内部告発』
  3. ^ a b 仙波敏郎 愛媛県警巡査部長に聞く「裏金告発の行方」
  4. ^ a b 激白!警察の裏金問題 Vol.8(仙波氏の孤独な道②)仙波敏郎講演会
  5. ^ a b 『ドキュメント・仙波敏郎』
  6. ^ 「領収書偽造命じられた」現職警官が証言 愛媛新聞ONLINE 2005年1月20日
  7. ^ 県警・偽名領収書 "同一協力者"1人が担当 愛媛新聞ONLINE 2005年1月20日
  8. ^ 県警配転訴訟県側敗訴 宙に浮く慰謝料 仙波氏受け取り留保 「本部長の謝罪が先」 愛媛新聞ONLINE 2008年10月22日
  9. ^ 裏金NO 警官人生幕 仙波巡査部長が定年退職 愛媛新聞ONLINE 2009年4月1日
  10. ^ 《詳録》警察裏金告発の仙波元巡査部長が副市長になる理由 Astand 2010年7月27日
  11. ^ 紙の爆弾』2010年10月号の本人コラム
  12. ^ 信念の人、仙波敏郎 副市長が語る阿久根(3) NetIB NEWS 2010年8月18日
  13. ^ 専決処分で選任の阿久根副市長、給与を供託 YOMIURI ONLINE 2010年8月20日
  14. ^ 阿久根市:「仙波氏を副市長扱いしない」県が方針指示 毎日.jp 2010年8月21日
  15. ^ a b 阿久根市の副市長選任など不承認 市長専決で議会 47NEWS 2010年8月25日
  16. ^ 副市長選任、「有効か分からない」=阿久根市議会の不承認で-総務省 時事ドットコム 2010年8月25日
  17. ^ 阿久根市副市長「総務課などの職員は組合脱退を」 asahi.com 2010年8月16日
  18. ^ a b 阿久根市、臨時市議会 副市長は不承認 @niftyニュース 2010年8月26日
  19. ^ ブログ市長の専決「議会制民主主義の否定だ」 鹿児島知事 msn産経ニュース 2010年9月3日
  20. ^ ブログ市長による副市長選び…知事「法的効力に疑問」 msn産経ニュース 2010年8月20日
  21. ^ 竹原信一阿久根市長、仙波敏郎副市長記者会見(1/5)
  22. ^ 【インタビュー】警察裏金問題と闘い続けた男・仙波敏郎「私が阿久根副市長を引き受けた理由」 週プレNEWS 2010年12月6日
  23. ^ 総務省|片山総務大臣閣議後記者会見の概要 平成22年9月21日
  24. ^ 教育委員人事に不同意=副市長の「退席」などで混乱―阿久根市議会 時事ドットコム 2010年9月29日
  25. ^ 阿久根市長を背任容疑で告発 九州などの弁護士25人 47NEWS 2010年10月25日
  26. ^ 背任:阿久根市・竹原市長への容疑2件の告発状を受理 /鹿児島 毎日jp 2010年10月30日
  27. ^ 阿久根市が降格職員を役職復帰 22日と26日付人事 47NEWS 2010年10月26日
  28. ^ 総務課長に裏金証言元警官 阿久根市、選管局長も兼任 47NEWS 2010年11月19日
  29. ^ 元群馬県警・大河原宗平氏が阿久根市総務課長に~仙波敏郎副市長が表明 NetIB NEWS 2010年11月18日
  30. ^ 阿久根市総務課 (2010年12月6日). “阿久根市長の職務代理者のお知らせ”. 阿久根市. 2010年12月6日閲覧。
  31. ^ 仙波氏が市長職務代理者就任を表明、適法性に疑問も 読売新聞 2010年12月6日
  32. ^ 阿久根市議会、「違法な会期延長」と執行部欠席 読売新聞 2010年12月13日
  33. ^ “阿久根市、議会開会中でも専決処分…補正予算” (日本語). 読売新聞. (2011年1月4日). http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110104-OYT1T00687.htm 2011年1月4日閲覧。 
  34. ^ a b 阿久根市:市長職務代理者の仙波氏、議会開会中に専決処分 議会側は反発/鹿児島 毎日jp 2011年1月5日
  35. ^ a b 阿久根市議会:補正予算の専決処分抗議を可決 毎日jp 2011年1月6日
  36. ^ 片山総務相:出直し阿久根市長選費用の専決処分を批判 毎日jp 2011年1月5日
  37. ^ 広報あくね 平成23年1月号 - 阿久根市
  38. ^ 阿久根広報紙に竹原氏文章、選挙期間に配布指示 - 読売新聞 2011年1月14日
  39. ^ 阿久根市長選 市広報紙で竹原氏応援? 仙波氏コラム「公正さ欠く」批判も - 西日本新聞 2011年1月14日
  40. ^ 専決処分で副市長に選任、仙波氏が退任の意向 読売新聞 2011年1月17日
  41. ^ 阿久根新市長が仙波副市長を解任 愛媛新聞 2011年1月17日
  42. ^ 西平新市長、専決で選任の副市長解任 読売新聞 2011年1月17日
  43. ^ 竹原派が市役所に集結 「阿久根を考える会」設立 読売新聞 2011年1月19日
  44. ^ 前阿久根市長を不起訴処分 ブログ更新の違法性は指摘 鹿児島地検 産経新聞 2011年7月28日
  45. ^ 阿久根前市長不起訴、弁護士会が検察審申し立て 朝日新聞 2011年9月20日
  46. ^ 竹原前市長の不起訴相当 鹿児島検審が議決 産経新聞 2012年1月14日
  47. ^ https://twitter.com/takeharasinichi/status/461644244873015297”. Twitter. 2021年12月2日閲覧。
  48. ^ 「日本警察の浄化をめざして」仙波敏郎氏講演(下)


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