交通管理施設
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 03:35 UTC 版)
日本の道路では、交通の円滑を図り、安全かつ安心に利用できるように、道路標識、路面標示、非常電話、道路情報提供装置、車両監視装置、車両諸元計測装施設、料金所、信号機の8種類の交通管理施設が設置されている。 道路標識は、道路で見かける丸形や三角形、四角形などの標識である。それぞれ役割があり、案内・警戒・規制・指示の各種類ごとに設置者が決められている。各種の道路標識は、一か所にいくつもの標識が設置されることがないように配慮がなされていて、交通の妨げとならないように道路利用者にとってわかりやすい位置に設置されている。(→詳細は、「日本の道路標識」を参照。) 路面標示は、道路の舗装面にある横断歩道や停止線、センターライン(中央線)などのマーキングのことである。マーキングの色は「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」(略称:標識令)により黄色や白色、青色表示などが定められていて、またその種類によって設置者が規定されている。(→詳細は、「日本の路面標示」を参照。) 非常電話は、高速自動車国道などの自動車専用道路に設置されていて、ネクスコなど道路管理者の担当センターに直接つながり、自動車の事故や故障など非常時の通報や援助を求める際に使用するものである。 道路情報提供装置は、その道路の渋滞や雨、霧、積雪、路面凍結などの気象情報、土砂崩れなどによる交通状況を把握して、道路上に設置された道路情報板などにより利用者へ情報提供する装置である。 車両監視装置は、主要道路の要所要所に遠隔操作できる監視カメラを設置して、交通事故や車両火災などの道路の状態を監視する装置である。交通量や走行速度を感知する車両感知器も、車両監視装置に含まれる。 車両諸元計測装置は、道路構造の保全や通行車両の安全を守るために、幹線道路沿いや料金所に設置されている施設で、日本の小型道路以外の道路設計基準である総重量25トン(245 kN)を超える重量の車両を検出し、取り締まるために設置されている。 料金所は、高速道路や有料道路の出入口に設けられる、通行料金を収受するための施設である。近年では、ETC(料金自動授受システム)の普及により、窓口の無人化がすすんでいる。 信号機は、交差点でよく見かける道路交通の信号装置で、車両用と歩行者用があり、交差点の安全を確保するうえで最も有効な設備である。信号の発光面は意外と大きく、車両用(円形)は直径25 - 30センチメートル、歩行者用(正方形)は1辺あたり25センチメートルある。また、表示色の赤・黄・青の3色のうち、「止まれ」を意味する赤が最も視認性の良い位置になるように配置されている。信号制御方法は、大別すると地点制御、線制御、面制御の3つに分類でき、地点制御は隣接交差点に連動しない当該交差点を単独で制御する方式、線制御は幹線道路において隣接する交差点とともに連動制御する方式、面制御は大都市などの道路網において近隣交差点を一括して制御する方式である。また、信号表示には定期周期と交通感応制御の2種類がある。(→詳細は、「日本の交通信号機」を参照。)
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