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二ツ沢

読み方:フタツサワ(futatsusawa)

所在 宮城県仙台市太白区

地名辞典では2006年8月時点の情報を掲載しています。

〒982-0846  宮城県仙台市太白区二ツ沢

二ツ沢

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/19 09:16 UTC 版)

日本 > 宮城県 > 仙台市 > 太白区 > 二ツ沢
二ツ沢
町丁
東北工業大学長町キャンパス
(2008年5月3日)
北緯38度14分08秒 東経140度52分22秒 / 北緯38.235554度 東経140.872849度 / 38.235554; 140.872849座標: 北緯38度14分08秒 東経140度52分22秒 / 北緯38.235554度 東経140.872849度 / 38.235554; 140.872849
日本
都道府県  宮城県
市町村 仙台市
行政区 太白区
人口情報2025年1月1日現在[1]
 人口 149 人
 世帯数 86 世帯
設置日 1973年昭和48年)
5月1日[2]
郵便番号 982-0846[3]
市外局番 022
ナンバープレート 仙台
町字ID[4] 0055000
運輸局住所コード[5] 04004-0519
ウィキポータル 日本の町・字
ウィキポータル 宮城県
ウィキプロジェクト 日本の町・字
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二ツ沢(ふたつさわ)は宮城県仙台市太白区町丁郵便番号は982-0846[3]住民基本台帳に基づく人口は149人、世帯数は86世帯(2025年1月1日現在)[1]。丁目の設定のない単独町名である。全域で住居表示を実施している[6]。旧仙台市長町字二ツ沢字長嶺字茂ケ崎の各一部、旧仙台市二ツ沢[7]

地理

二ツ沢の航空写真(2019年4月23日)

仙台市の南部、大年寺山の南東側に位置する[8]側を鹿野本町と、西側を緑ケ丘および長嶺と、側を茂ケ崎と、側を門前町と接する。

鹿野本町から北へ入る沢沿いの丘陵地で、昭和初期からは亜炭採掘が行われていた[9]宮城野区清水沼から太白区三神峯に至る活動度B級の大年寺山活断層が通っており、二ツ沢地内では断層露頭が見られる[8]普通河川として二ツ沢が流れ[10]、木流堀を介して郡山低地の長町市街地に広がっている[11]

都市計画区域上では全域が市街化区域に指定されており、都市計画法上の用途地域では仙塩広域都市計画道路として計画されている八木山柳生線の沿道が第二種住居地域に、それより北側が第二種中高層住居専用地域に、南側が第一種低層住居専用地域に指定されている[12]防火地域および準防火地域の指定はない[13]

歴史

近世まで

二ツ沢地内の茂ヶ崎横穴墓群では古墳時代から奈良時代にかけての横穴墓が見つかっており、調査では25基の墓が発見されている[14]。造営年代が7世紀末から8世紀初頭と推定されることから、大年寺山の麓である郡山遺跡の官衙跡と密接な関係にあり[15]、造営母体は官衙や寺院の造営に関与した集団であったと考えられている[16]

近代

行政区画としては陸前国名取郡根岸村の一部にあたり、明治4年7月14日1871年8月19日)に廃藩置県によって仙台県の管轄に、明治5年1月8日1872年2月16日)に宮城県へ改称された[17]。同年4月9日6月10日)には大区小区制の施行により宮城県第14大区小1区となり[18]1874年(明治7年)には第8大区小5区に変更された上、根岸村と平岡村が統合され長町村となった[19]。このころ成立した「宮城県各村字調書」には、長町村の小字として二ツ沢が既に存在している[20]

大区小区制は1878年(明治11年)10月21日に廃止され、1889年(明治22年)4月1日には新たに町村制が施行[21]、全域が茂ヶ崎村となった[22]1915年大正12年)2月1日、茂ヶ崎村は町制施行と同時に改称して長町となり[23][24]郡役所廃止後の1928年昭和3年)4月1日には仙台市に編入され、仙台市大字長町の一部となった[23][25]

現代

二ツ沢の航空写真(1947年10月8日)

1949年(昭和24年)8月、現在の二ツ沢地内の敷地を法務庁が買収し、翌年8月には福島県福島市御山町福島刑務所内にあった東北少年院を二ツ沢へ移転させた[26][27]。当時の収容定員は160名であり、後の1964年(昭和39年)6月には職業訓練重点施設として指定を受けた[27]。同年には敷地内で直径1メートル前後の陥没が6か所に渡って生じ、石垣や建物基礎に亀裂が入る出来事があった。これは亜炭採掘が行われていた際の坑道へと通じる風坑が陥没したもので、深度は8メートルから28メートルに及んだ[28]

1973年(昭和48年)5月1日、仙台市の長町北地区で住居表示が施行され、二ツ沢が誕生した[2][7]

東北少年院は特定国有財産整備計画によって現在の若林区古城三丁目(仙台矯正管区北側)に新設されることが決まり、1978年(昭和53年)4月には収容業務が一時停止された[27]1984年(昭和59年)4月、東北少年院は移転し受け入れを再開させたが[26]、二ツ沢の跡地は東北工業大学が取得へと動いた[29]。当時、八木山香澄町のみに校地を構えていた東北工業大学は、大学設置基準に比して土地面積が46,000平方メートルほど不足しており、新しい計画の認可を受けることが困難だった。このため、新たな校地の候補を二ツ沢の東北少年院跡地に絞り込み、仙台矯正管区や東北財務局仙台市教育委員会などと折衝を行った。翌年12月には二ツ沢校地への施設拡充を求める事業計画を公表し、1987年(昭和62年)6月9日大蔵省との土地売買契約を締結させた[29]

1988年(昭和63年)4月5日、東北工業大学二ツ沢キャンパスの造成工事中に横穴が数基発見され、中から人骨が発見された旨が宮城県警から宮城県教育委員会を通じて仙台市教育委員会へもたらされた。現地調査の結果、古代の横穴墓であることが確認されたため、事業主体の東北工業大学と施工担当の間組の協力の上で緊急発掘調査が実施された。後にこの遺跡は調査の結果「茂ヶ崎横穴墓群」と名付けられた[30]

1990年平成2年)4月1日、東北工業大学二ツ沢キャンパスが設置され、同年5月27日に設置記念式典と記念祝賀会が行われた[31]2008年(平成19年)には名称が長町キャンパスへと変更された[32]

年表

町名の変遷

町名の変遷は以下の通りである[7]

変更後の区域 変更前の区域 変更日
自治体 町丁 自治体 大字 小字
仙台市 二ツ沢(新設) 仙台市 長町 字二ツ沢 1973年昭和48年)5月1日[2][7]
字茂ケ崎
字長嶺

世帯数と人口

2025年令和7年)1月1日現在の世帯数と人口は以下の通りである[1]

町丁 世帯 人口
二ツ沢 86世帯 149人
86世帯 149人

小・中学校の学区

小・中学校の学区は以下の通りとなる[34]

町丁 街区符号住居番号 小学校 中学校
二ツ沢 全域 鹿野小学校 長町中学校

施設

茂ヶ崎横穴墓群跡(2008年5月3日)

交通

鉄道

鉄道駅はない。最寄り駅は東北本線長町駅もしくは仙台市地下鉄南北線長町一丁目駅

バス

道路

高速道路一般国道一般県道は通っていない[39]。ただし、仙塩広域都市計画道路3・2・13号八木山柳生線が二ツ沢地内を通る計画がある[40][41]

参考文献

脚注

注釈

出典

  1. ^ a b c 仙台市まちづくり政策局政策企画課: “町名別年齢(各歳)別住民基本台帳人口データ”. 仙台市 (2025年1月1日). 2025年2月1日閲覧。
  2. ^ a b c d 新旧対照表(は~ほ)”. 仙台市. pp. 3388-3389. 2025年1月7日閲覧。
  3. ^ a b 宮城県 仙台市太白区 二ツ沢の郵便番号”. 日本郵便. 2025年1月7日閲覧。
  4. ^ 日本 町字マスター データセット”. デジタル庁 (2022年3月31日). 2024年3月3日閲覧。
  5. ^ 自動車登録関係コード検索システム”. 国土交通省. 2024年2月21日閲覧。
  6. ^ 仙台市市民局戸籍住民課: “住居表示実施地区 町名一覧表(区毎・五十音順)”. 仙台市. 2025年1月3日閲覧。
  7. ^ a b c d e f 大蔵省印刷局 1973, p. 9
  8. ^ a b 仙台市 2020, p. 32
  9. ^ 奥津 1975, p. 134
  10. ^ 仙台市教育委員会 1989, p. 3
  11. ^ 仙台市教育委員会 1989, p. 6
  12. ^ 用途地域”. 仙台市都市計画情報インターネット提供サービス. 仙台市. 2025年1月7日閲覧。
  13. ^ 防火指定”. 仙台市都市計画情報インターネット提供サービス. 仙台市. 2025年1月7日閲覧。
  14. ^ 仙台市教育委員会文化財課: “茂ヶ崎横穴墓群”. 仙台市の遺跡. 仙台市. 2025年1月7日閲覧。
  15. ^ 仙台市教育委員会 1989, p. 56
  16. ^ 仙台市教育委員会 1989, p. 57
  17. ^ 宮城縣 1964, p. 52
  18. ^ 宮城縣 1964, p. 100
  19. ^ 宮城縣 1964, p. 101
  20. ^ 宮城縣 1970, p. 333
  21. ^ 仙臺市史編纂委員會 1956, p. 196
  22. ^ 宮城縣 1964, p. 102
  23. ^ a b 宮城縣 1964, p. 330
  24. ^ 仙臺市史編纂委員會 1956, p. 246
  25. ^ 仙臺市史編纂委員會 1956, p. 271
  26. ^ a b 東北少年院”. 法務省. 2025年1月7日閲覧。
  27. ^ a b c d 法務大臣官房営繕課 1983, p. 486
  28. ^ a b 奥津 1975, p. 134
  29. ^ a b 沿革1980年-1989年 - 大学概要”. 東北工業大学. 2025年1月7日閲覧。
  30. ^ a b c 仙台市教育委員会 1989, p. 1
  31. ^ a b 沿革1990年-1999年 - 大学概要”. 東北工業大学. 2025年1月7日閲覧。
  32. ^ a b 沿革2000年-2009年 - 大学概要”. 東北工業大学. 2025年1月7日閲覧。
  33. ^ a b 仙台市 2020, p. 51
  34. ^ 仙台市教育局学事課: “市立小・中学校の学区検索(太白区 は行)”. 仙台市. 2025年1月7日閲覧。
  35. ^ 長町キャンパス - キャンパスライフ”. 東北工業大学. 2025年1月7日閲覧。
  36. ^ 市バス路線図 基本系統”. 仙台市交通局 (2024年4月1日). 2024年12月11日閲覧。
  37. ^ 市バス路線図 特殊系統”. 仙台市交通局 (2024年4月1日). 2024年12月11日閲覧。
  38. ^ 宮城交通仙台圏バス路線図”. 宮城交通 (2024年10月1日). 2025年1月10日閲覧。
  39. ^ 仙台市太白区二ツ沢 付近”. せんだいくらしのマップ. 仙台市. 2025年1月7日閲覧。
  40. ^ 都市計画道路整備状況図”. 仙台市. 2025年1月7日閲覧。
  41. ^ 都市計画道路一覧”. 仙台市. 2025年1月7日閲覧。

関連項目



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