主要テーマの諸説とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 主要テーマの諸説の意味・解説 

主要テーマ(主題)の諸説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 04:57 UTC 版)

源氏物語」の記事における「主要テーマ主題)の諸説」の解説

源氏物語主題が何であるのか」については古くからさまざまに論じられてきたが、『源氏物語』全体一言でいい表すような「主題」については、「もののあはれ」論がその位置もっとも近いとはいえるものの、いまだに広く承認され決定的な見解存在しない古注釈時代には「天台60巻になぞらえた」とか「一心三観の理を述べた」といった仏教的観点から説明試みたものや、『春秋』『荘子』『史記』といったさまざまな中国古典籍由来求めた儒教的道教的な説明多くあり、当時としては主流にある見解といえた。『源氏物語』自体中に儒教仏教思想影響していることは事実としても、当時解釈はそれらを教化の手段として用いるためという傾向強く物語そのものから出た解釈とはいいがたいこともあって、後述の「もののあはれ」論の登場以後衰えることになった。 これに対し本居宣長は『源氏物語玉の小櫛』 において、『源氏物語』を「外来理論」である儒教仏教頼って解釈するべきではなく『源氏物語』そのものから導き出されるべきであるとし、その成果として、「もののあはれ」論を主張した。この理論源氏物語全体一言でいい表すような「主題」としてもっとも広く受け入れられることになったその後明治時代入ってから藤岡作太郎による「源氏物語本旨夫人評論にある」といった理論現れた。 明治時代以後坪内逍遥によって『小説神髄』が著されるなどして西洋文学理論導入されるにともないさまざまな試みがなされ、中には部分的にそれなりの成果上げたものもあったものの、 そもそも『源氏物語』西洋文学理論いうところのテーマ」が存在するのか 『源氏物語』に対して西洋文学理論適用すること、およびそれに基づく分析手法用いた結果導き出された「テーマ」に意味があるのか といった前提問い直されていることも多くそれぞれそれぞれの関心基づいて論じているという状況である。『源氏物語』全体一言で表すような主題求め努力続けられており、三谷邦明による反万世一系論や、鈴木日出男による源氏物語虚構などのような一定の評価受けた業績現れてはいるものの、一方で『源氏物語』には西洋文学理論いうところのテーマ」は存在しないとする見解存在するなど広く合意され結論出たとはいえない状況である。『源氏物語』の、それぞれの部分についての研究がより精緻になるにしたがって『源氏物語』全体一貫した主題をみつけることは困難になり、「読者それぞれに主題考えるものが存在することになる」という状況になる。1998年平成10年)から1999年平成11年)にかけて風間書房から出版された『源氏物語研究集成』では、全15巻のうち冒頭2巻を「源氏物語主題」にあて、計17編の論文収録しているが、『源氏物語』全体主題について直接論じたものはなく、すべて「桐壺巻の主題」「『帚木』三帖の主題」「須磨・明石巻の主題」「玉鬘十帖主題」「藤壺物語主題論」「紫上物語主題」「六条御息所物語主題」「若菜上下巻主題方法」「明石物語主題」「御法・幻巻の主題」「柏木物語主題」「夕霧物語の主題」「大君物語」「宇治十帖における薫の主題」「浮舟物語主題」「宇治物語主題」といった形で特定の巻または「○○物語」といった形でまとまって扱われることの多い、関連持った一群の巻々についての主題論じたものばかりである。

※この「主要テーマ(主題)の諸説」の解説は、「源氏物語」の解説の一部です。
「主要テーマ(主題)の諸説」を含む「源氏物語」の記事については、「源氏物語」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「主要テーマの諸説」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

主要テーマの諸説のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



主要テーマの諸説のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの源氏物語 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS