中山成彬の発言に関する論争
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 23:27 UTC 版)
「日本教職員組合」の記事における「中山成彬の発言に関する論争」の解説
2008年9月には、国土交通大臣に就任直後の中山成彬(第5・6代の文部科学大臣)が、「(贈収賄事件のあった)大分県の教育委員会のていたらくなんて日教組ですよ」「日教組の子供なんて成績が悪くても先生になる」「(日教組が強いから)大分県の学力は低い」「日教組は日本のガン」「解体しなければいけない」などの批判を行った。日教組や野党だけでなくマスコミや、与党からも批判され、国土交通大臣を辞任する結果となった。中山は他の発言に関しては訂正や謝罪をしたが、日教組批判については「事実」であり、撤回するつもりはないと語った。 当時大阪府知事であった橋下徹は中山の一連の日教組に対する批判に対し「本質を突いている」と支持の立場をとり日教組を批判した。 朝日新聞は「日教組の活動が強いところは学力が低い」との中山の主張に対して、「そのような関係は見受けられない」と紙面で批判した。 産経新聞は、「日教組の強さを勝手に組織率に置き換えている」と批判した上で、「日教組の組織率の高さと組合運動の強さが正比例しているわけではない。組織率が高くても、イデオロギー色が薄く互助組合のようなところもある。」と、組織率と組合活動の過激が比例しているわけではないとの解説を載せつつ、「日教組が強いとは、質の問題であり、イデオロギー色の強い活動をどれだけしていて、闘争的な組合員がどれだけ全体に影響を持っているかということであり、低学力地域には日教組が強い地域が多い」と反論した。 高崎経済大学教授の八木秀次が、「日教組の強さと、学力には相関関係があり、国民が肌で感じてきたことだ」との意見を述べた。 三重大学教授の奥村晴彦(情報教育)は、産経新聞の記事の根幹の主張である「『参議院比例区での日教組組織内候補者』の得票数が多いところは学力が低いのではないか」という見方に対しては「(学力)上位10県と下位10県の票数÷有権者数の平均」と、「全国学力テストの成績」とのt検定を行ったところ、P値が0.273であることを示し、統計的には有意な差がないとして、中山や産経新聞の主張を否定する考えを表明した。 秋田教職員組合は組織率が高かったが、教育正常化を目的として日教組の傘下から離脱している。八木は組織率の問題ではなく、訪朝して金日成賛美や資金を渡しに行く川上祐司委員長を支持するようなイデオロギーが強い者の割合が問題だと指摘している。八木は統計や実地調査から実際に日教組傘下の教職員組合の組織率ではなく、ノンポリ教員が疑問を抱く組合費の利用・イデオロギー色が強い活動を組織的に行う組合化が問題だとしている。そういった活動を組織幹部が行ってきたイデオロギーが強い組合ほど定年など組合員高齢化で強制参加圧力が低下すると、過去に教職員間で除け者にされるのを防ぐためだけに加入していた教師らの離脱や新人教師が加入しなくなって余計に組織率低下が加速していると元組合員から話を得ている。特定の政党に関わる政治活動をしていないなど本来の教職員の互助組合に近い福井県教祖は8割ほどの高い組織率を維持出来ていることを指摘している。減少傾向でも2009年時点でも共産党の指導を受ける全日本教職員組合と日教組を合計すると教職員全体の組織率は4割りを超えている。全日本教職員組合が強い地域は日教組自体の組織率50%未満でもイデオロギー的な教職員組合だと組合の活動から指摘している。そのため、大阪や京都などでは旧社会党系(現民主系)と共産党系が支持者の奪い合いをしてきた過去から傘下組織でも根強い対立が存在していることを明かしている。
※この「中山成彬の発言に関する論争」の解説は、「日本教職員組合」の解説の一部です。
「中山成彬の発言に関する論争」を含む「日本教職員組合」の記事については、「日本教職員組合」の概要を参照ください。
- 中山成彬の発言に関する論争のページへのリンク