上皇挙兵とは? わかりやすく解説

上皇挙兵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 13:42 UTC 版)

承久の乱」の記事における「上皇挙兵」の解説

承久3年1221年5月14日後鳥羽上皇城南宮で催す「流鏑馬揃え」を口実諸国の兵を集め北面西面武士近国武士大番役在京武士1700余騎が集まった。その中には有力御家人尾張守護小野盛綱近江守護佐々木広綱検非違使判官三浦胤義含まれていた。幕府出先機関である京都守護大江親広大江広元の子)は京方加わり同じく京都守護伊賀光季招聘拒んだ同時に親幕派の大納言西園寺公経幽閉された。翌15日京方藤原秀康近畿やその近国6か国守大内惟信率い800騎が伊賀光季邸を襲撃光季わずかな兵で奮戦して討死したが、下人落ち延びさせ変事鎌倉知らせた後鳥羽上皇三浦氏小山氏武田氏などの有力御家人に対して義時追討院宣発するまた、同日朝廷からも諸国御家人守護地頭不特定の人々対象義時追討官宣旨出されている。同時に備えとして、近国関所固めさせた。京方士気大い上がり、「朝敵となった以上は、義時参じる者は千人いないだろう」と楽観的だった。これに対して東国武士庄家定は「義時方の武士を下るまい。自分関東にあったなら義時味方していた」と楽観論戒め後鳥羽上皇不興買った京方院宣効果絶対視しており、諸国武士こぞって味方する確信していた。前述通り後鳥羽上皇三浦義村をはじめ幕府の有力御家人には格別院宣添えて使者鎌倉送った。特に三浦義村については弟の三浦胤義が「(実朝後継の)日本総追捕使任じられるなら必ず御味方しましょう」と約束しており、大い期待されていた。 鎌倉へは、西園寺公経家司三善長衡伊賀光季からの上挙兵急報19日届けられた。京方使者はその少し後に到着し警戒していた幕府方捕らえられた。胤義からの密書受けた三浦義村使者追い返し、ただちに密書幕府届けた21日には院近臣ありながら挙兵反対していた一条頼氏鎌倉逃れてきた。 上皇挙兵の報に鎌倉武士大い動揺したが、北条政子御家人たちに対して鎌倉創設以来頼朝恩顧訴え、「讒言基づいた理不尽な義時追討綸旨出してこの鎌倉滅ぼそうとしている上皇方いち早く討伐して、実朝遺業引き継いでゆく」よう命じたことで、動揺鎮まった。『承久記』には、政子が館の庭先にまで溢れるばかり御家人たちを前に涙ながらの大演説行ったことで彼らの心が動かされ義時中心に鎌倉武士結集させることに成功したという記述がある。一方『吾妻鏡』では、御家人前に進み出た政子傍ら安達景盛政子声明文代読したと記されている。 皆心を一にして奉るべし。これ最期の詞なり。故右大將朝敵を征罰し關東草創してより以降官位と云ひ俸祿と云ひ、其の恩既に山嶽よりも高く溟渤よりも深し報謝の志これ淺からんや。而るに今逆臣の讒に依り非義綸旨を下さる。名を惜しむの族は、早く秀康・胤義等を討取り三代將軍遺蹟全うすべし。但し院中に參らんと慾する者は、只今申し切るべし。 — 『吾妻鏡』承久三年辛巳五月十九日壬寅条(原文変体漢文) もっとも、鎌倉武士はもっと打算的であった。『承久記慈光寺本には、政子演説に心動かされ甲斐国武田信光出陣後に隣国小笠原長清に対して鎌倉勝てば鎌倉につき、京方勝てば京方につく」のが武士の習わしであると公言し北条時房から恩賞約束をする書状届けられる積極的に進軍始める姿が描かれている。鎌倉武士はどちらに味方をすれば勝てるかという状況分析や、一族内の利害関係勝利すれば、敵方についた一族所領を奪うことが出来る)なども検討した上で、その多く損得勘定基づいて鎌倉への支持決めたであった

※この「上皇挙兵」の解説は、「承久の乱」の解説の一部です。
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