さんば‐そう【三▽番×叟】
三番叟
三番叟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/31 22:33 UTC 版)

三番叟(さんばそう)は、日本の伝統芸能。式三番(能の翁)で、翁の舞に続いて舞う役、あるいはその舞事。能楽では狂言役者が演ずる。
解説
元々「式三番」という名称は、例式の 3番の演目という意味で、「父尉」「翁」「三番猿楽」の 3演目を指すものであり、室町時代初期には「父尉」を省くのが常態となっていたが、式二番とは呼ばずそのままの名称が使われている[1]。古くは、その3番のうち 1、2番目は聖職者である呪師が演じたが、「三番叟」は 3番目の演目であり呪師に代って猿楽師が演じ、「三番猿楽」と呼ばれ、「三番三」とも呼ばれる。
三番叟の舞は、揉ノ段と鈴ノ段に分かれる。前半の揉ノ段は、面を付けず、足拍子を力強く踏み、軽快・活発に舞う。後半の鈴ノ段は、黒式尉を付け、鈴を振りながら、荘重かつ飄逸に舞う。
翁の舞が、天下泰平を祈るのに対し、三番叟の舞は五穀豊穣を寿ぐといわれ、足拍子に農事にかかわる地固めの、鈴ノ段では種まきを思わせる所作があり、豊作祈願の意図がうかがえる。式三番のうちでも、翁以上に後世の芸能に影響を与えた。歌舞伎や人形浄瑠璃などに取り入れられ、また日本各地の民俗芸能や人形芝居のなかにも様々な形態で、祝言の舞として残されている。なお、三番叟の系統を引く歌舞伎舞踊や三味線音楽を「三番叟物」と言う。
地域の三番叟
脚注
- ^ 千歳の舞は露払いであり、翁の舞に含まれ 1番とは数えない、同様に延命冠者も父尉に含まれる。
- ^ “小呂島の御奉楽(ごほうらく)の三番叟(さんばそう)”. 西区の宝. 福岡市西区役所. 2023年2月25日閲覧。
参考文献
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- 西野春雄 羽田昶『能・狂言事典』平凡社、1987年、ISBN 4-582-12608-1、10頁
- 青木和夫 網野善彦『日本史大事典 3』、平凡社、1993年、ISBN 4-582-13103-4、746頁
関連項目
三番叟(壱之町上組)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 14:22 UTC 版)
創建年代不詳(1754年(宝暦3年)8月の説あり)であるが、1894年(明治27年)以後になると老朽化から曳行中止し、1904年(明治37年)8月の古川大火のとき、大部分を消失した。現存するのは、猩々緋大幕と女三番叟踊りのからくり人形だけである。人形の製作年代・作者とも不明であるが、13本の綱を5人で操作するこの人形踊りの複雑巧妙なことは当町一番である。現在は屋台の所有がないため、例祭においては台名旗(屋台の名称を記した旗)のみ曳行に参加する。また当台組は神楽台に続き2番目に曳揃えられることになっており屋台主事は行わない。
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