ローマ帝国復興とは? わかりやすく解説

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ローマ帝国復興

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 17:51 UTC 版)

神聖ローマ帝国」の記事における「ローマ帝国復興」の解説

詳細は「カール大帝」を参照 774年カールランゴバルド首都パヴィア占領し、自らランゴバルド王=イタリア王となった中世イタリア王国始まりである。北イタリア事実上フランク王国一部となったカールはさらに父ピピンの例にならって中部イタリアの地を教皇寄進した。しかし南イタリアランゴバルド族支配留まりランゴバルド族支配終わっても、フランク王国神聖ローマ帝国組み込まれることはなかった。また、カール772年から30年にわたるザクセン戦争行い異教守って最後まで抵抗つづけたザクセン人国家フランク王国一部とした。こうしてカールイギリスアイルランドイベリア半島イタリア南端部をのぞく西ヨーロッパ世界政治的統一達成し混乱した西ヨーロッパ世界安定もたらしたのである797年東ローマ帝国エイレーネー皇帝コンスタンティノス6世追放しローマ皇帝史上初めての女帝を名乗ったこの女即位帝国西部では僭称として認められず、ローマ皇帝位は空位の状態であるとみなされた。そこで教皇レオ3世は、800年12月25日バチカンサン・ピエトロ大聖堂のクリスマスミサにて、58歳のカールを「ローマ皇帝」として戴冠した。これ以後カールは自らの公文書において、それまで用いていた「ローマ人パトリキウス」の称号改め、「ローマ帝国統べる皇帝」と署名するようになった。 この戴冠については当時カール仕えていたアインハルトが、レオ3世カールとの間には認識の差があったとして「もし前もって戴冠があることを知っていたら、サン・ピエトロ大聖堂ミサには出席しなかっただろう」というカール言葉伝えているが、現在の歴史学においてこれは事実とは考えられていない少なくともカール自身戴冠については事前に知っており、また皇帝への就任にも意欲的であったろうこといくつも研究によって示されている。レオ3世前年799年反対派襲われカールの下に逃げ込んだことがあったが、カールへの戴冠レオ3世助けたことへの報酬でもあり、教皇権優位確認でもあり、東ローマ帝国への対抗措置でもあったのである。この教皇による戴冠16世紀まで帝国にとっての伝統となったカールローマ皇帝戴冠された後も、コンスタンティノポリス皇帝カール皇帝称号僭称であるとして容易に認めようとはしなかった。カールは自らの皇帝称号帝国東方でも承認させるため、コンスタンティノポリス宮廷へ使者送ったコンスタンティノポリス女帝エイレーネーからは彼女との結婚によるローマ帝国統一提案され、この申し出カール乗り気であったが、まもなくエイレーネークーデターによって失脚したため、この縁談実現することがなかった。しかし、エイレーネー死後の812年にようやく両者の間で妥協成立しカール南イタリア一部商業盛んなヴェネツィア東ローマ皇帝領として譲り渡す代わりに東ローマ皇帝ミカエル1世カール帝位承認した。ただ、この時に東ローマ側としては「ローマ人皇帝」はコンスタンティノポリス東ローマ皇帝のみであるとしており、カールには「ローマ人皇帝ではなくフランク皇帝としての地位しか認めていない。これは後の第一次ブルガリア帝国皇帝シメオン1世などに対しても同様である。 西欧立場から見るならば、カールの戴冠大きな意味を持っていた。これまで地中海世界唯一の皇帝であった東ローマ皇帝対し西ヨーロッパゲルマン社会からも皇帝誕生したからである。ここでローマ教会西欧東ローマ皇帝宗主権下からの政治的精神的独立果たした評価されている。 814年大帝71歳死去し存命だった唯一の息子ルートヴィヒ1世35歳前後で後を継いだ

※この「ローマ帝国復興」の解説は、「神聖ローマ帝国」の解説の一部です。
「ローマ帝国復興」を含む「神聖ローマ帝国」の記事については、「神聖ローマ帝国」の概要を参照ください。

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