ローマ典礼様式とは? わかりやすく解説

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ローマ典礼様式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/17 06:04 UTC 版)

トリエント・ミサ」の記事における「ローマ典礼様式」の解説

教皇ピオ5世は、1570年7月14日付きで大勅令『クオー・プリームム・テンポレ(Quo Primum Tempore)』を出しローマミサ典礼様式に従うローマ・ミサ典書永久に有効なミサ聖祭として義務化した。これがいわゆるトリエント・ミサ」である。 ただし、教皇ベネディクト16世によると、厳密に言えばそもそもピオ5世によって新しく無から創造された「聖ピオ5世ミサ典書」なるものも、「トリエント・ミサ」なるものも存在しない。「トリエント・ミサ」という言い方は、厳密に正し言い方ではない。 「成長長い歴史における一つ段階として、聖ピオ5世によって為された改訂があるのみ」であり、ピオ5世はただ、少なくとも200年上の歴史持っていることを証明することが出来ない典礼様式(ritus)を使っている地域にローマ・ミサ典書(Missale Romanum) すなわちローマで使われているミサ典書使われなければならないことを決定しただけであった。しかし200年上の歴史がある典礼を持つところではどこでもそれを保持することができた。いわゆるトリエント・ミサ」なるものは、「歴史的に成立してきたミサ典書」また「人間先立って神から与えられたもの」として、ピオ5世によって制裁された「古代教会聖体秘跡以来、何世紀綿々とつづいてきたミサ典書」である。このミサ典書は、決して「学者たちの仕事法律家権限によってつくりだされたもの」や「人間裁量領域のうちにあるもの」ではない。 そのため、2007年7月7日出した自発教令『スンモールム・ポンティフィクム』では、ベネディクト16世は「トリエント・ミサ」とは言わずに「聖ピオ5世発布し福者ヨハネ23世あらため発布したローマ・ミサ典礼書」と呼び同時にミサ典礼の「特別な形式(Forma extraordinaria)」とも言った典礼学者クラウス・ガンバー(Klaus Gamber) によれば、ローマ典礼様式はその重要部分が、少なくとも4世紀、より正確に言うと教皇ダマソ1世在位366-384年)の時代遡ることができ、その後教皇ジェラジオ1世在位492-496年)の時代ミサ典文は、大聖グレゴリオ1世在位590-604年)が手を付けた僅かな変更除いて現代にまで伝えられている形のミサ典文そのままであることが確認できる5世紀以来教皇たちはただ一つのことを要求してきた。それは(ラテン典礼では)ローマ典文を使わなければならないということであった。何故なら、教皇たちの理由は、この典文が使徒聖ペトロ由来するものだからだ。しかしその他の部分に関しては、地方教会習慣尊重された。 ミラノ中心に行われていたアンブロジウス典礼トレドマドリッド行われていたモザラベ典礼12世紀以来伝統を持つカルメル会カルトゥジオ会ドミニコ会の独自の典礼様式(ritus)などが認可されていた。しかし、典礼様式それぞれ異なっても、それらを統一するものはローマ典文(Canon) であった。これは、5世紀以来教皇たちが使徒聖ペトロ由来する、という典文であり、どの典礼様式であろうとこれを何も手を付け加えず使用してきた。教皇たちはこのローマ典文が使徒ペトロからの聖伝に基づくと何度も繰り返し述べてきたからである。 その理由は、教皇には教会の最高牧者として聖伝典礼様式廃止する権能があると述べられている文章は、カトリック教会法典含めて一つ存在していないからであるし、事実パウロ6世そうするまで、教皇たちは固有の意味におけるミサ式次第(Ordo Missae) には一切変化加えたとがない(ただし、特にトリエント公会議以後は、教皇たちは新し祝日のために新し固有文導入しただけである)からである。 また、教皇ベネディクト16世は、「いかなる権威当局典礼を「作り上げる」ことは出来ない教皇典礼同質的発展典礼完全性とその同一性永続のための謙遜なしもべに過ぎない」と述べている。

※この「ローマ典礼様式」の解説は、「トリエント・ミサ」の解説の一部です。
「ローマ典礼様式」を含む「トリエント・ミサ」の記事については、「トリエント・ミサ」の概要を参照ください。

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