バイクシュキ文字とは? わかりやすく解説

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バイクシュキ文字

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/01 06:03 UTC 版)

バイシュキ文字
バイシュキ文字によるサンスクリット語の写本(Shukla Bhaiksuki)
類型: アブギダ 𑰥𑰹𑰎𑰿𑰬𑰲𑰎𑰱
言語: サンスクリット語
時期: 11世紀頃–12世紀 AD[1]
親の文字体系:
姉妹の文字体系: シャーラダー文字
チベット文字
悉曇文字
カリンガ文字
Unicode範囲: 割り当てあり
ISO 15924 コード: Bhks
注意: このページはUnicodeで書かれた国際音声記号 (IPA) を含む場合があります。
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バイクシュキ文字(バイクシュキもじ、: भैक्षुकी、バイクシュキ文字:𑰥𑰹𑰎𑰿𑰬𑰲𑰎𑰱: Bhaiksuki script)は、ブラーフミー系の文字であり、11世紀から12世紀頃に使用されていた。英語ではかつて「矢じり文字(Arrow-Headed Script)」または「尖頭文字(Point-Headed Script)」と呼ばれていたが、チベットではより古い名称「シンドゥラ(Sindhura)」が少なくとも3世紀にわたり用いられていた。[2]使用例は主に、現在のインドビハール州および西ベンガル州バングラデシュの一部地域に見られる。また、チベットネパールビルマ(現ミャンマー)でも記録が確認されている。

現存する写本

この文字は仏教文献にのみ見られる。Unicodeの提案によれば、現存する碑文は11点、写本は4点のみである。これらは『アビダルマサムッチャヤカーリカー(Abhidharmasamuccayakārikā)』、『マニチューダジャータカ(Maṇicūḍajātaka)』、『チャンダーランカーラ(Candrālaṃkāra)』、および少なくとももう1点の仏教典籍である。『アビダルマサムッチャヤカーリカー』と『マニチューダジャータカ』の写本は、かつてチベットのゴンカル寺院に保管されており、1948年にジュゼッペ・トゥッチによってイタリアに持ち込まれた。[3]『マニチューダジャータカ』の保存場所は不明であり、現存するのは写真資料のみである。一方、『アビダルマサムッチャヤカーリカー』の写本は2014年にトゥッチの旧宅で再発見され、現在はローマの国立東洋美術館に展示されている。4点目の写本はチベットで発見され、中国のドキュメンタリー番組で紹介されたが、詳細な情報は限られている。[4]

この文字で記される主な言語はサンスクリットである。デーヴァナーガリー文字およびシャーラダー文字と密接な関係を持つ。

出典

  1. ^ James, Ian (2012年4月16日). “Bhaiksuki script”. 2016年6月22日閲覧。
  2. ^ N4573: Final Proposal to Encode the Bhaiksuki Script in ISO/IEC 10646” (2014年4月23日). 2016年6月22日閲覧。
  3. ^ Tucci, Giuseppe (1950). A Lhasa e oltre: diario della spedizione nel Tibet MCMXLVIII. con una̕ppendice sulla medicina e li̕giene nel Tibet. Libreria dello Stato. p. 129. https://books.google.com/books?id=hX1CAAAAYAAJ&q=freschi 
  4. ^ N4573: Final Proposal to Encode the Bhaiksuki Script in ISO/IEC 10646” (2014年4月23日). 2016年6月22日閲覧。



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