ニールセンのヒューリスティクス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 00:45 UTC 版)
「ヒューリスティック評価」の記事における「ニールセンのヒューリスティクス」の解説
ヤコブ・ニールセンのヒューリスティックスは、ユーザーインターフェイス設計のめのユーザビリティヒューリスティックスとして、おそらく最も多く使用されている。 ニールセンは1990年にRolf Molichとの共同研究をもとにヒューリスティックスを開発した 。現在使用されている最終的なヒューリスティックスは、1994年にNielsenが発表したものである。Nielsenの著書「Usability Engineering 」で公開されているヒューリスティックは次の通り。 システム状態の視認性 Visibility of system statusシステムは、合理的な時間内に適切なフィードバックを行うことで、何が起こっているかを常にユーザーに知らせなければならない。 システムと現実世界の一致 Match between system and the real worldシステムは、システム指向の用語ではなく、ユーザーに馴染みのある言葉、フレーズ、概念を用いて、ユーザーの言語で話すべきである。 情報が自然で論理的な順序で表示されるように、現実世界の慣例に従うこと。 ユーザーの主導権と自由 User control and freedomユーザーはシステムの機能を誤って選択してしまうことがよくあるが、そのような場合には、長いダイアログを経ることなく、望まない状態から抜け出すための「非常口」を明確に示す。 「元に戻す」と「やり直し」をサポートする。 一貫性と標準 Consistency and standardsユーザーは、異なる単語、状況、またはアクションが同じことを意味するかどうか疑問に思う必要はない。 プラットフォームの慣習に従う。 エラー防止 Error prevention優れたエラーメッセージよりも優れているのは、問題の発生を未然に防ぐための慎重な設計である。エラーが発生しやすい条件を排除するか、エラーが発生しているかどうかをチェックし、ユーザーがアクションを実行する前に確認の選択肢を提示する。 想起より認識 Recognition rather than recallオブジェクト、アクション、オプションを可視化することで、ユーザーの記憶負荷を最小限に抑える。 ユーザーは、ダイアログのある部分から別の部分への情報を覚えておく必要はない。 システムの使用手順は、必要に応じて見えるようにしたり、簡単に取り出せるようにする。 使用の柔軟性と効率性 Flexibility and efficiency of use初心者のユーザーには見えないアクセラレータが、熟練者のユーザーに取ってはインタラクションを高速化することもあり、システムが経験の浅いユーザーと熟練者の両方に対応することができる。ユーザーが頻繁に行うアクションを調整できるようにする。 美的で最小限の設計 Aesthetic and minimalist design対話には、無関係な情報や必要性の低い情報を含めるべきではない。 対話における余分な情報は、関連する情報と競合し、視認性を低下させる。 ユーザーに対するエラー認識、判断、回復の援助 Help users recognize, diagnose, and recover from errorsエラーメッセージは、平易な言葉(コードなし)で表現し、問題を正確に示し、建設的な解決策を提案するものでなければならない。 ヘルプとドキュメント化 Help and documentationドキュメントなしでシステムを使えた方がよいが、ヘルプとドキュメントの提供が必要になる場合がある。 このような情報は、検索しやすく、ユーザーのタスクに焦点を当て、実行する具体的な手順が記載されていて、大きすぎないものでなければならない。
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