ゾルゲ事件に関してとは? わかりやすく解説

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ゾルゲ事件に関して

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/05 14:54 UTC 版)

尾崎秀樹」の記事における「ゾルゲ事件に関して」の解説

1959年に『生きているユダ』を刊行し以来尾崎特別高等警察資料チャールズ・ウィロビーによる事件報告書川合貞吉証言などをベースに、伊藤律が兄の尾崎秀実裏切って警察の手先となり、事件検挙招いたユダ」であると非難する立場取った1980年伊藤中国から帰国してもそれは変わらずその後刊行したゾルゲ事件現代』では、新聞などに載った伊藤証言信憑性疑い従来の説繰り返した1989年伊藤死去した後、遺稿の手記を読んだ渡部富哉事実関係調査しそれまで伊藤事件発覚端緒である」ことの根拠とされてきた内容矛盾があり、成り立たないことを発見した渡部1991年尾崎公開討論申し入れ翌年尾崎はこれに応じている。このとき、尾崎従来自説繰り返したが「渡部氏の調査によってこれまで書かれていたことが部分的に修正補足されるところはある。これはさらに解明されなければならない思っている」と述べた渡部1993年調査結果を『偽りの烙印 伊藤律スパイ説崩壊』(五月書房)として刊行し尾崎著書では事実検証がずさんであることや、明確な根拠示さず伊藤を「スパイ」と決めつけている記述散見されることを指摘して、「何の根拠裏づけもない、妄想所産といってもいいほどのもの」と強く非難した討論会渡部著作に対して尾崎は、雑誌情況』の1993年10月号に「ゾルゲ事件伊藤律――『偽りの烙印』に答える」という文章発表したが、その内容大半が自らのゾルゲ事件伊藤との関わり述べたもので、伊藤回想渡部著書について触れたものの「(渡部らの)批判には私の調査の不十分を衝くものもあり、一つ一つ答えてゆかなくてはならない」と記すにとどまった渡部は同誌12月号に「尾崎秀樹氏に問う――「ゾルゲ事件伊藤律」について」という文章寄稿し尾崎文章討論会での発言同義反復したに過ぎず、「伊藤スパイ説明確な根拠がない」という自分指摘答えていないと述べたその後尾崎はこの件に関して沈黙した渡部有志1994年結成した伊藤律の名誉回復求める会」は、1997年12月尾崎直接伊藤スパイ説」の撤回申し入れたが、尾崎は「伊藤北林トモ存在特高告げたこと」「戦後ゾルゲ事件研究会』を解散させたこと」の2点をあげてこれを拒絶し亡くなるまで自説変えることはなかった。これについて渡部は、「前日ペンクラブ会長」の面子へのこだわりと、渡部発掘した事実反論できないジレンマの中で訂正謝罪拒否したのだと述べている。 その後加藤哲郎新たに公開されアメリカ陸軍情報部MIS)の日本関係文書2007年調査した結果川合貞吉戦後エージェントとしてウィロビーが率いGHQ参謀第2部G2)からゾルゲ事件情報提供対す報酬受け取っていたことや、ゾルゲ事件反共宣伝材料とするウィロビーの意に沿って共産党幹部だった伊藤事件発覚端緒」とする証言をおこなっていたことが明らかになり、川合証言対す信憑性著しく低下した伊藤律生前知人宛の書簡ですでに川合がウィロビーとつながり持っていたことを記しており、それが裏付けられた形となったのみならず川合個人的動機から伊藤誣告する証言おこなったことも公開文書から明らかになった。川合G2からの報酬受け取っていたころ、尾崎川合から米軍召還保護受けた話を聞かされ身なりや生活が豪奢になったことに「不自然な疑惑」を抱いたというが、ゾルゲ事件対す証言信を置く姿勢は変わらなかった。加藤は、尾崎川合証言に基づく伊藤律黒幕説を「自己のレーゾン・デートル存在根拠)として固守し続けた」と記している。 現在では、「伊藤ゾルゲ事件発覚端緒である」という説を支持する見解事件の研究者にほぼ見られなくなっている。 なお、同じ親族でも、尾崎秀実の妻は伊藤が「スパイ」として日本共産党除名された後も伊藤端緒説やスパイ説同意せず、尾崎秀樹とは対立した立場にいた。伊藤生前書簡で、尾崎秀真尾崎秀実から絶縁されたのちに尾崎秀樹生まれ秀樹と秀実との間には文通すらなかったと記している。また、尾崎秀樹が「伊藤ゾルゲ事件研究会解散させた」と主張している点については、この集まり尾崎秀実の他の近親者知人が「ハナをつまみ」寄りつかずに潰れたことをそう言っているのだと述べている。

※この「ゾルゲ事件に関して」の解説は、「尾崎秀樹」の解説の一部です。
「ゾルゲ事件に関して」を含む「尾崎秀樹」の記事については、「尾崎秀樹」の概要を参照ください。

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