ソ連崩壊後の「森の歌」とは? わかりやすく解説

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ソ連崩壊後の「森の歌」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 08:12 UTC 版)

森の歌」の記事における「ソ連崩壊後の「森の歌」」の解説

森の歌」は歌詞の内容スターリン礼賛共産党礼賛という性格有していたため、共産主義失敗によるソビエト連邦の崩壊近づくに従って共産主義政権讃える歌詞敬遠されるようになり、演奏機会激減した一方で楽曲価値認めていた指揮者フェドセーエフはソビエト連邦の崩壊前夜混乱の中、楽団員合唱団説得して勢力によるクーデター3日前にレコーディング行った。 現在では一般的に「『森の歌』はスターリンへつらい保身を図るために作曲したもの」と評価されていることや、亡命ロシア人代表されるソビエト政府弾圧遭った人々などの感情的なしこりもあって、ロシア旧ソ連諸国はもちろん、欧米諸国でも演奏されることは稀である。 これに対して日本は、戦後うたごえ運動において政治色希薄にした改訂版歌詞によって長年取り上げられていたことが幸いしてか、今日でも演奏されることがある指揮者岩城宏之2005年10月東京文化会館での演奏先立ちインタビューにおいて「(スターリン礼賛という、意に沿わない作品として)ショスタコービッチどんなに憎もうと、この曲は再三演奏されしかるべき曲なのではないかこんなに分かりやすくて、良くて、しかも転調とかすべてが高級で、実にうまく書いている。厳然として傑作だ改め感心してしまう」と音楽的価値の高さを評価している。また自身大学生時代にこの曲を選んで演奏会開催し、のちに演奏会に至る経過を「のうた」として出版している。 2006年には1月19,20日にフェドセーエフが、11月22日にはテミルカーノフそれぞれ日本国内で「森の歌」を取り上げた歌詞選択指揮者任されており、テミルカーノフは「オリジナルの歌詞書かれていることは、私たち歴史1ページであり、作品は“事実”を内含している」と述べ初演版意義あるものとして用いるなど、古典楽曲価値引き出試みなされている。 また、2005年11月にはスヴェトラーノフ指揮による「森の歌」のライブ録音1978年収録)がDVDにより復刻されたが、その解説著した一柳富美子は「緑の息吹地球灌漑する」という歌詞同時期に開催され愛知万博意義重ね合わせ地球環境保全意識した内容として作曲者作詞者メッセージ読み取ることが出来るという、新解釈提示している。 『森の歌』を日本語訳した井上によればショスタコーヴィチ国土緑化計画理解示し本作品を作曲したと言われている(ISBN 4276542324)。ジダーノフ批判をかわす上でスターリン政策肯定する必要に迫られ作曲であったとはいえ一柳らが述べるように、緑化政策そのものについては現在にも通用する面を持ち合わせているのも事実である。このようにロシア欧米等において演奏が行われなくなった現在でも、思想的こだわり超えた音楽的価値を見いだし、高い評価を受け続けている楽曲として、見直されつつある。

※この「ソ連崩壊後の「森の歌」」の解説は、「森の歌」の解説の一部です。
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