スノードロップの花言葉
スノードロップ花言葉の由来
#聖書のエピソードに基づく説スノードロップの花言葉である「希望」や「慰め」は旧約聖書の創世記にあるアダムとイブのエピソードが由来である。アダムとイブは神の掟を破って知恵の実を食べてしまい、その罪によってエデンの園を追放された。冷たい雪が降る中で嘆き悲しむアダムとイブを慰めるため、天使が雪をスノードロップに変えたという。雪原に咲く白い花を見たアダムとイブは慰められると共に、寒い冬がもうすぐ終わって多くの命が目覚める春が訪れるだろうと希望を抱いた。ここからスノードロップには「希望」や「慰め」の花言葉が用いられるようになったのである。
#花の特徴が由来になっている説
スノードロップは直訳すると「雪のしずく」である。和名では「待雪草」と呼ばれ、その名前の通り雪が積もる冬に咲く花である。晩冬から初春にかけて純白の花を咲かせる植物で、開花が春の訪れを告げることから「寒く厳しい冬の中で見る者の心を慰め、暖かい日の光が降り注ぐ春が来ることを期待させる花」として扱われている。他の花が育たない冬に綺麗な花を咲かせるスノードロップの力強さと見た目の儚さのギャップから「逆境の中の希望」という花言葉が生まれたとされている。「しずく」の名は1本の茎に1つの花を咲かせる点に由来しているが、その特徴が儚い感じを醸し出している。寒い冬に力強く咲く花が小さく可愛らしい姿であることが「希望」の象徴と解釈できる。
#欧州各地の言い伝えが由来になっている説
スノードロップは欧州各地で古くから自生している植物である。地域の人々には馴染み深い花であり、その点から旧約聖書の題材に取り上げられたとされている。地域特有の言い伝えも多く、それらの言い伝えが花言葉の根底になっているのは紛れもない事実だ。ドイツの民話では雪の色を決めたのがスノードロップとされている。古い時代、雪には色がなかった。雪は自分に色を分けてくれるよう、様々な花にお願いしたがすべて断られてしまった。その中で唯一、色を分けることに同意したのが純白の花を咲かせるスノードロップだったのである。雪はスノードロップの優しさに喜び、お礼として他の花が咲くことができない冬の季節に開花できるようにしてやった。
花言葉の「慰め」はこの民話から来ているとされている。また、この民話が日本で知られたことにより「もしもの時の友」という花言葉も用いられるようになった。スコットランドでは雪の中で花を咲かせる姿から幸運のシンボルとして親しまれている。正月の前にスノードロップを見つければ、次の年は幸せに暮らせるという言い伝えがある。スノードロップの花は白く小さいので雪原の中で探すのは難しいことからこのような言い伝えが広まったとされているが、そこから転じて「希望」「逆境の中の希望」などの花言葉が用いられるようになった。
#花の白い色が由来になっている説
スノードロップは「雪のしずく」の名が示す通り、純白の花を咲かせる。白色は清浄や純潔の象徴であり、一方で儚さや脆さを意味する色でもある。花言葉にある「希望」は確約された事柄ではなく、「慰め」も必ずメリットになるわけではない。白色は他の色に染まりやすく、雪も汚れやすい。そのことから確実な約束ではない「希望」やメリットになるとは限らない「慰め」の花言葉を当てはめるようになったという。
スノードロップの英語の花言葉
スノードロップの英語の花言葉も日本語と同様に「hope(希望)」「consolation(慰め)」である。スノードロップの原産地である欧州はキリスト教が広まった地域であり、花言葉も聖書のエピソードに由来している。英語の花言葉がそのままの形で日本に伝わったのである。スノードロップ色別の花言葉の解説
スノードロップが咲かせる花は白色だけなので、色別の花言葉は存在しない。スノードロップの花言葉はすべて白色の花に基づいている。スノードロップ本数別の花言葉の解説
スノードロップには本数別による特定の花言葉は存在しない。本数を問わず、「希望」「慰め」の意味を持つ花として扱われる。花束にして贈ることで「あなたと一緒に暮らすことが私の希望です」「あなたの悲しみを慰めたい」など、相手への愛情や思いやりを示すことができる。故人へお供えする場合も「あなたの死を悼みます」「あなたのことを尊敬していました」など、敬愛の意味がある。一般的な花言葉として50本以上の花束には「あなたを永遠に愛します」など、愛の告白の意味を持つ花言葉が当てはまる。スノードロップも例外ではなく、大きな花束にすることでプロポーズの意味を持たせることができる。スノードロップの怖い花言葉
スノードロップには「あなたの死を望む」という花言葉がある。白く小さい花は可愛らしい見た目なので不吉なイメージがないように思えるが、白色は死装束に用いられる色でもあるため、死を連想させる花とされた。また、スノードロップが咲く冬は寒さと雪によって植物が育たず、動物も生きることが難しい季節であることも死をイメージさせる要因になっている。イギリスではスノードロップを墓前に供える風習があり、その点も縁起が悪い花というイメージをもたらしている。少女が死んだ恋人のためにスノードロップを摘み、体に生じた傷の上に置くとその体が雪のしずくになって消えたという民話がイギリスに伝わっている。これらの風習や民話が不吉な意味を持つ花言葉の由来になった。死を意味するエピソードはイギリスに限らず、欧州各地に伝わっている。スノードロップが咲く家には修道女の幽霊が出るという言い伝えは欧州では定番の怪談話だが、これはスノードロップの白い花に清らかな存在である修道女を当てはめていることに由来している。修道女は純潔であることが求められるため、他の色が混ざらない。清らかな白色の花を咲かせるスノードロップが相応しいとされた。また、死をイメージさせる側面もある花なので、スノードロップが咲く家には幽霊が出るという解釈もされていた。そこから修道女の幽霊が出る家にはスノードロップの花が咲くと言われるようになったのである。修道院でスノードロップを栽培していたことも怪談話の由来になっている。
日本ではスノードロップに関するネガティブな意味の花言葉は存在しないが、白く小さい花が垂れ下がって咲く姿が前向きではないと忌避されることがある。花言葉が「希望」である一方、花の姿が頭を下げて落ち込んでいるように見えることから「まやかしの希望」と解釈する向きもある。「慰め」の花言葉も具体的な解決方法ではなく、その場限りの気晴らしと見なされることがあるのでスノードロップの花は不幸があった人への贈り物には適さないとされている。花が垂れ下がる姿から処刑場に咲く花や首吊りの意味を持つ花と言われることもあるが、これは花の姿から見た日本独自の解釈であり、原産地の欧州にはそのような言い伝えは存在しない。
一方でスノードロップは贈り物には不向きとされているのも事実である。原産地の欧州では墓前に供える花としても知られていることから、病人や高齢者には相応しくないとされている。「希望」や「慰め」は現状に何らかの問題を抱えている人に向けた花言葉とも言えるため、贈る相手を選ぶ花とも言える。日本では死を連想させる花というイメージが希薄なので贈り物に用いられるのは珍しくないが、花言葉に詳しい人へ贈るのは注意が必要である。
※ 花言葉の内容は諸説あります。
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