ストア独占に対する反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/07 14:07 UTC 版)
「Epic Gamesストア」の記事における「ストア独占に対する反応」の解説
Epic GamesはSteamに対抗するために、他ストアより先にEpic Gamesストアで通常6か月または1年間時限独占販売されるゲームを頻繁に用意している。スウィーニーは、この戦略はSteamの支配的な地位に対抗する唯一の方法であり、Valveが30%の手数料を下げた場合に独占権を求めることをやめると述べている。そうでなければEpicは、Steamや他のストアとの間で事前にどのような計画を立てていたかに関わらず、興味を持つデベロッパーやパブリッシャーからのEpic Gamesストアでの独占販売の申し出を受け入れ続けるという。 一部の消費者はこれらの独占契約に否定的な反応を示しており、これは家庭用ゲーム機で時限独占で発売されるゲームと同様にゲームコミュニティに分裂をもたらしているようであった。4A Gamesが開発し、Deep Silverが販売する『メトロ エクソダス』は、Steamでの販売が予定されていた。しかし、Deep Silverは発売数週間前に同作をEpic Gamesストアで時限独占販売し、販売後1年経ってからSteamで発売すると発表した。一部のユーザーはこれに腹を立て、Steamの同作にレビュー爆撃を行い、4A Gamesに苦情を申し立てた。Deep Silverは4A Gamesを擁護し、Epic Gamesストアの時限独占販売の決定はDeep Silverの親会社Koch Mediaが行ったと言及した。『メトロ エクソダス』発売後の数日間、Epic Gamesストアにはユーザーレビューがなかったため、プレイヤーはSteamレビューシステムを使用してゲームを賞賛した。『X-COM』のリードデザイナーのジュリアン・ゴロップによる同作の精神的続編『Phoenix Point』は、SteamまたはGOG.comの償還キーのオプションをプレイヤーに付与するクラウドファンディングで成功を収めた。2019年3月、ゴロップはPhoenix PointをEpic Gamesストアで1年間独占販売することを選んだと発表した。支援者はEpic Gamesストアの償還キーと独占期間が終了する1年後にSteamまたはGOGの償還キーを入手でき、最初の年のダウンロードコンテンツ(DLC)が無料提供される。ゴロップは、独占契約により彼のチームは同作を完成させるために追加の財政的支援を受けたと説明した。ゴロップのチームが彼らの資金を使ってゲームを外部からの出資を得られるレベルにまでこぎつけ、その後ゲームの方向性を変えたと考えた一部の支援者が激怒した。ゴロップは、Epic Gamesとの契約は『Phoenix Point』の最終的な方向性を変化させなかったと主張したが、支援者に対して希望した場合全額返金を行った 『Ooblets』のデベロッパーGlumberlandは、Epicの資金援助により販売までスタジオを維持し、より良い収益の分配を提供することが可能になることを引き合いに出し、2019年7月下旬にEpic Gamesストア独占ゲームになると発表した。Glumberlandのベン・ワッサーによる発表には、Epic Gamesストア独占への批判に関連した冗談のような言葉が含まれており、不満を抱いた人々を「未熟で有害なゲーマー」と呼び、この状況は「何も取り乱す必要はない」と述べた。これを受けて、ワッサーをはじめとするGlumberlandの関係者は、この発表に関連した脅迫を含む何千もの敵対的な否定的メッセージを受け取るようになった。ワッサーは、コミュニティがメッセージにそのように反応することを予想していなかったため、ゲームコミュニティを拒絶しようとしたのではなく、Epicのサポートを必要とするGlumberlandの立場を明確にしようとした。スウィーニーは後に同作に対しての過熱した批判には偽のスクリーンショット、ビデオ、技術的分析を含むフェイク情報の意図的・組織的な作成や憎しみの醸成、反対者への脅迫が含まれるとし、「健全な公衆の会話を悪化させ、弱める不穏な傾向を浮き彫りにした」と批判した。スウィーニーは、Epicはパートナーや開発者と協力して状況を改善し、そのような方法でターゲットにされた人々をサポートするように努めていると語った。 ゲーム『DARQ』の発売準備の最終段階にあったUnfold GamesがEpic Gamesとのやり取りについて報告した後、独占権に関するさらなる問題が浮上した。『DARQ』は数か月前からSteamでの販売が確定しており、デベロッパーは2019年に同作の発売が近づいていると発表した。 Unfold Gamesによると、Epic Gamesは資金提供のサポートに加えて、Epic Gamesストアでのゲーム販売を打診した。しかし、Epic Gamesは尋ねられた際に、契約を受け入れれば1年間はSteamでゲームを販売し続けることをUnfoldに許可することを拒否した。UnfoldはEpic Gamesとの契約を断念した。資金調達のためのマーケティングの大部分は、Steamでの販売に重点を置いていため、Epic Gamesストアの方が多くの点でおそらくより良い選択肢であるにもかかわらず、彼らはSteamでの販売を余儀なくされた。Epic Gamesストアに関するメディアの注目の結果、UnfoldはSteamおよびGOG.comでデジタル著作権管理(DRM)のないゲームとして同作を販売した。一部のジャーナリストは、Epicが独占性を大きく重視していることでその意図が彼らを害するかもしれないという懸念を表明した。 2019年のGame Developers Conferenceにて他の複数のゲームがEpic Gamesストアで時限独占販売されると発表された後、プレーヤーから抗議が寄せられ、ストア部門トップのスティーブ・アリソンは、ゲームコミュニティにこのような混乱を引き起こしたくないと認めた。アリソンによれば、彼らはゲームの発売間近にそのような大規模な独占契約を行わないように努め、コミュニティが望んでいることを尊重するようにしたいとしている。Epic Gamesは、Steamでの販売が遅れていることに憤慨した『シェンムーIII』の支援者からの同様の苦情を受けて、 同作および今後Epic Gamesストアで独占販売されることになるクラウドファンディングゲームでは、支援者からの返金要求の費用を負担すると発表した。
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