ストア範疇論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 23:52 UTC 版)
全ての存在(希: ὄντα)は——全てのもの(希: τινά)ではなく——物質的であるとストア派では考えられた。彼らは具体的なものと抽象的なものとの区別は認めたが、純粋に物質的なものが存在するというアリストテレスの主張に関しては否定した。そのため彼らは、物体が熱いならそれは世界中に存在する熱素の一部がその物質の中に入ったからだというアナクサゴラスの主張は(アリストテレスと同じく)認めた。しかしアリストテレスとは違って、あらゆる付帯性をカバーするような思想を発達させた。そのためある物体が赤いならそれは世界中に存在する赤の元素の一部がその物質の中に入ったからだということになる。 四種類の範疇があると彼らは考えた。 基体 (ギリシア語: ὑποκείμενον) 物がそれから構成されるところの基本的な物質、形相を持たない実体(ousia) 性質づけられた(もの) (ギリシア語: ποιόν) 物質が個々の物体を形成する方法; ストア自然学では、物質に形相をもたらす物質的な構成要素(pneuma: 気息) 何らかの様態にある(もの)(ギリシア語: πως ἔχον) 大きさ、形状、行動、体勢といった特定の特徴であり、物体の内部に存するものではない 何かとの関係において何らかの様態にあるもの(ギリシア語: πρός τί πως ἔχον) 時間・空間内における他の物体との相対的位置のような、他の現象との相対的な特徴
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