ごまだら‐かみきり【×胡麻▽斑天=牛】
ゴマダラカミキリ
和名 | ゴマダラカミキリ |
学名 | Anoplophora malasiaca (Thomson, 1865) |
名称由来 | |
分布 | 北海道、本州、佐渡、伊豆諸島、隠岐、四国、九州、対馬、種子島、屋久島、 沖縄諸島(沖縄島);朝鮮半島、中国、台湾、マレーシア |
近縁種 | 奄美大島 徳之島 石垣島 与那国島 小笠原諸島(オガサワラゴマダラカミキリ) |
寄生植物 | スギ、トキワギョウリュウ、モクマオウ、ヤナギ類、クルミ類、カンバ類、ヤシャブシ類、ハンノキ類、ナラ類、シイ類、 ニレ類、クワ、イチジク、イタドリ、バラ科、カンキツ科、マメ科など各種広葉樹 |
標本処理 | 亜硫酸? 酢酸エチル○ |
体長 | 25-35mm |
1999. VI. 28、茨城県産 提供:ルドルフ氏

小堀文彦氏撮影 2001年7月埼玉県北本市
まさに空飛ぶ牛(天牛)
ゴマダラカミキリ
和名:ゴマダラカミキリ |
学名:Anoplophora marasiaca THOMSON |
コウチュウ目,カミキリムシ科 |
分布:日本全土,台湾,朝鮮,中国,マレーシア |
写真(上):ゴマダラカミキリ雌成虫 |
写真(下):ゴマダラカミキリ成熟幼虫 |
説明 幼虫が,柑橘園の蜜柑類,ポプラ類,ヤナギ類,ハンノキ類,カエデ類,シラカバなどの庭園樹や街路樹のほか,スギ造林木へ穿孔し,被害を与える。成虫の体長は24〜35mm。雄は雌に比べて体長に対する触角の長さが長い。老熟幼虫の体長は,45〜60mm。1年あるいは2年に1回発生。成虫は,関東地方では6月下旬から7月上旬にかけて脱出する。雌雄成虫とも加害樹の枝の樹皮を摂食して性成熟する。雌成虫は樹幹表面に付けた噛み傷(産卵痕)に産卵管を差し込み産卵する。幼虫は樹皮下および材内を食害する。このため,木の枯損や折損がおこる。幼虫で越冬後,翌年あるいは翌々年に成虫となる。防除法として成虫に対する薬剤散布,産卵防止のための樹幹下部へのトタン巻きなどがある。 |
胡麻斑天牛
ゴマダラカミキリ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/09 19:14 UTC 版)
ゴマダラカミキリ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Anoplophora malasiaca (Thomson, 1865) |
ゴマダラカミキリ(胡麻斑髪切 Anoplophora malasiaca)は、コウチュウ目(鞘翅目)、カミキリムシ科に分類される甲虫の一種。フトカミキリ亜科としては大型で姿が目立ち、また、食樹も広範であるため都市部の街路樹、庭木、公園樹木でもよくみられるため、国産カミキリムシ中で最もよく知られる種の一つである。
成虫の体長は2.5cm-3.5cmほどで、全身が黒い。特に前翅は光沢のある黒色に白い斑点が並目立ち、和名もこれに由来する。前翅以外の部分はあまり光沢がなく、腹側や脚は青白い細かい毛で覆われる。触角は体長の1.5倍ほどで、触角を形作る各節の根もとにも青白い毛があるため、黒と青のしま模様に見える。
北海道から琉球列島の日本全国に分布する[1]。
生態

ゴマダラカミキリは幼虫の食樹、成虫の後食対象ともに生木であるが、食樹が非常に幅広いのが特徴で、ミカン類、ヤナギ、クリ、クワ、イチジク、プラタナス、シラカバ、イチョウなど多岐にわたる。果樹や街路樹として利用される木にもやってくるので都市部でも姿を見ることができ、比較的大型で目立つ体色であることも相まってよく知られたカミキリムシとなっている。
成虫は6月-8月に出現。昼夜の区別なく活動し、食樹の葉や若枝のみずみずしい樹皮を後食する。食樹の樹幹、梢を歩行したり、その周囲を飛翔する姿がみられる。夜間は灯火等の光源に飛来する。
交尾を終えたメスは生木の樹皮を大顎で傷つけ、その箇所に産卵する。主に根元付近の樹皮に産卵することが多いと書籍などでは記述されることもあるが、実際には同じ生木を食害するシロスジカミキリなどと同様に根元から1~2mの高さの幹に産卵することも多い。幼虫(テッポウムシ)は生木の材部を食害し成長する。幼虫は成長すると幹内部を降下し、主として根株の内部を食い荒らす。孵化から羽化までには1年-2年を要する。幼虫が侵入した樹木は幼虫の活動によって坑道が樹皮に達し穿孔され、木屑や樹液が出るようになる。蛹を経て羽化した成虫は木の幹に円形の穴を穿孔し、野外に脱出する。時に産卵痕や脱出痕からは樹液が染み出すことがあり、カナブンやクワガタムシなどの昆虫が集まる様子も観察される。
幼虫が材部を掘り進むと直径1cm-2cmほどの坑道ができ、木の強度が弱くなって折れやすくなる他、ダメージを負った樹木は成長不良に陥り、枯死することもある。果樹や街路樹に被害が出ることもあり、特にミカン農家ではゴマダラカミキリは重大な害虫の一つとして警戒されている。
近縁種
奄美大島、徳之島と沖縄島にはオオシマゴマダラカミキリ A. oshimana (Fairmaire)、与那国島にはヨナグニゴマダラカミキリ A. ryukyuensis Breuning et Ohbayashi、小笠原諸島にオガサワラゴマダラカミキリ A. ogasawarensis Makihara が分布する。いずれもよく似ている。 中国から朝鮮半島にかけてはツヤハダゴマダラカミキリ Anoplophora glabripennis (Motschulsky, 1853) が分布する。こちらも日本のゴマダラカミキリと同様に幅広い食性を持ち、アキニレを中心にポプラ、カエデ、ニレ、ヤナギ、ニセアカシアなど幅広い樹種を食樹とする。 近年、日本でも散発的に記録があり、特にアキニレを食害しているゴマダラカミキリ類は、慎重にツヤハダゴマダラカミキリか否かを同定する必要がある[2]。
脚注
- ^ “ゴマダラカミキリ”. 北海道立総合研究機構. 2025年8月10日閲覧。
- ^ 区別法・食樹等の詳細はツヤハダゴマダラカミキリを参照。
関連項目
- ゼットン:背中のデザインはこの生物をモチーフにしている。
固有名詞の分類
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