クリエイティブ&テクニカルデザイン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 01:46 UTC 版)
「モンキー・アイランド」の記事における「クリエイティブ&テクニカルデザイン」の解説
ギルバート、シェイファー、グロスマンの3人は、これまでのルーカスフィルムのタイトルよりもシンプルでわかりやすいゲームモデルを作ることを第一の目標とした。ギルバートは制作開始前に主要なデザインとパズルを考えていたため、デザイナーの仕事の大半はギルバートのアイデアを具体化することになった。 ギルバートは当時シエラオンラインが発売していたアドベンチャーゲームに不満を持っており、後に「何か間違ったことをするとすぐに死んでしまう」と語っている。ギルバートは、そのようなゲーム性を「デザイナーにとっての安易な逃げ道」と考えていた。1987年に発売されたグラフィック・アドベンチャー・タイトル『マニアックマンション』に自分のデザイン・アイデアを適用したことがあったが、ゲームをクリアできないような行き止まりの状況や、カットシーンのトリガーの実装が不十分だったことなど、開発中に多くのミスを犯したと考えていた。ギルバートは『モンキー・アイランド』でそのような失敗を避けることを目指した。 チームは、ゲームプレイを主に世界の探検に集中させ、プレイヤー・キャラクターが死ぬことはないシステムを採用した。 ガイブラシが崖から落ちても「ゴムの木」に跳ね返されるという場面は、シエラオンライン製アドベンチャーゲームのパロディになっている。ガイブラシは溺れて死ぬこともあるが、これは意識的に努力しないと見つけられそうにないイースター・エッグである。 『モンキー・アイランド』は、『マニアックマンション』のために開発されたSCUMMエンジンを搭載したルーカスフィルム・ゲームズの5番目のプロジェクトである。『マニアックマンション』では、SCUMMのスクリプト言語で動詞のコマンドは固定されていた。このコマンドは、その後のバージョンのエンジンでは、より抽象的になっている。また、『モンキーアイランド』では屋外であったが、ゲームワールドの個々の部分を「ルーム」と呼んでいたことも引き継がれている。 このゲームでは、『インディ・ジョーンズ最後の聖戦』で使用されたSCUMMエンジンと同じバージョンが使用されているが、マイナーな変更が加えられている。また、「What is」オプション(画面上のオブジェクトをプレイヤーに説明する入力コマンド)を削除し、オブジェクトにマウスカーソルを被せるだけでよいようにした。SCUMMのビジュアルは、オリジナルのEGA版では320x200ピクセルの解像度で16色であったが、美術のスティーブ・パーセルによると、これは美術チームにとって大きな制限となり、「恐ろしく」色数が少なかったため、背景に奇妙なトーンを選択することが多かった。VGA版ではこれらの問題を解決するために256色をサポートし、より高度な背景やキャラクターアートが可能になった。EGA版では、プレイヤーが森の中の木の切り株を調べると、ガイブラシが「地下墓地への入り口がある」と言って中に入ろうとするも「続けるためにはディスク22、36、114を入れなければならない」というメッセージが表示されるというジョークが用意されていたが、ルーカスアーツのホットラインにディスクがないという問い合わせが多数寄せられた。その結果、このジョークは後の版では削除され、続編ではルーカスアーツ・ヒント・ホットラインの会話の選択肢として触れられている。 このゲームの音楽「パイレーツ・レゲエ」は、ルーカスフィルム・ゲームズの社内コンポーザーであるマイケル・ランドがMIDI形式で作曲したもので、彼の入社後初仕事だった。ゲームは1990年にフロッピーディスクで発売されたが、1992年には高品質のサウンドトラックを収録したCD-ROM版が発売された。 この音楽は人気が高く、OverClocked ReMixのミュージシャンやゲームファンによってリミックスされている。 『モンキー・アイランド』は最終的に20万ドルの制作費をかけ、9ヶ月かけて開発された。
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