カーボンナノチューブの発見と生産とは? わかりやすく解説

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カーボンナノチューブの発見と生産

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 07:59 UTC 版)

カーボンナノチューブ」の記事における「カーボンナノチューブの発見と生産」の解説

カーボンナノチューブ及びカーボンナノファイバーに対す最初観察研究は、1952年ソビエト連邦までさかのぼる。この時点で既に2人ロシア人科学者によってカーボンナノチューブ思われるTEM写真文献書かれていた。しかし、当時冷戦中という事もあり、その詳細西側諸国紹介されることはな研究置き去りにされる。 それから20年もの歳月過ぎた1976年フランスで日本遠藤守信当時信州大学工学部助手フランス国立科学研究センターCNRS客員研究員。現・信州大学先鋭領域融合研究カーボン科学研究所特別特任教授)は、後のカーボンナノチューブ存在その成長モデル世界初め示した。しかし、遠藤関心その後構造追求よりも成果実用化に移る。1982年、その生成連続的に行う量産方法として触媒化学気相成長法考案し1987年特許化する。この方法は、1988年米国化学会のCHEMTECに発表された。しかし、上述したとおり、この時点では現在のカーボンナノチューブとしての詳細な構造解明されておらず、構造解明決定1991年飯島による再発見まで待たねばならない一方米国では、1979年ペンシルベニア州立大学会議において、ジョン・エイブラハムソンがアーク放電によって低圧窒素雰囲気中に生成されカーボン繊維特殊性について述べており(文献発表1999年)、1981年にはソビエト連邦研究者らによって、カーボンナノチューブ表面に当たるグラフェンシートの幾何学構造について考察文献発表されている。1987年にはハワード・G・テネットによってカーボンナノファイバーの直径が3.5nmから70nmの間とされる事やその応用性について述べられた。 1991年日本飯島澄男当時NEC筑波研究所研究員。現・名城大学終身教授NEC特別主席研究員)によって、フラーレン作っている途中アーク放電した炭素電極陰極側の堆積物中から初めTEM透過電子顕微鏡)によって発見された。この発見には幸運だではなく、高度な電子顕微鏡技術大きな役割果たしていた。また、電子顕微鏡観察発見したというだけでなく、電子線回折像からナノチューブ構造正確に解明した点に大きな功績認められている。このときのCNT多層CNT (MWNT) であった2018年大陽日酸東邦化成世界で初めフッ素樹脂導電性付与実現し商品化した。大陽日酸長尺カーボンナノチューブフッ素樹脂成形加工用いて、ポリクロロトリフルオロエチレンに機能付与した高機能フッ素樹脂として半導体製造装置関連薬液供給関連といった分野への適用見込まれる

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