オセアニアの国際大会事情
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 00:41 UTC 版)
「オセアニアサッカー連盟」の記事における「オセアニアの国際大会事情」の解説
オセアニアのサッカーは他の大陸に比べると実力・質ともに劣るとみなされていることから、長年ワールドカップの自動出場権がない。なお、オリンピック、U-20ワールドカップ、U-17ワールドカップなどでは自動出場権(1枠)が与えられている。 ワールドカップオセアニア予選は、1970年メキシコ大会から1982年スペイン大会まではアジア・オセアニア予選として開催され、AFC所属チームと本大会出場権を争い、1974年西ドイツ大会ではオーストラリアがOFC所属チームとして本大会初出場を果たし、また1982年スペイン大会でもニュージーランドが本大会出場を果たしている。1986年メキシコ大会以降はオセアニア単独の予選として開催されている。オセアニア単独の予選になって以降は、本大会に出場するには大陸間プレーオフ(ホーム・アンド・アウェー方式。出場枠は1994年アメリカ大会は0.25、その他の大会は0.5)を勝ち上がる必要がある。 ワールドカップオセアニア予選における大陸間プレーオフの対戦相手並びに成績は以下の通り。 大陸間プレーオフ・OFCからの出場チームの対戦結果(1986年以降)オセアニア予選OFCからの出場チーム対戦相手対戦結果第1戦第2戦合計1986 オーストラリア スコットランド○(ヨーロッパ予選グループ7の2位) 0 - 2 (A) 0 - 0 (H) 0 - 2 1990 イスラエル コロンビア○(南米予選各組1位チームのうち成績最下位) 0 - 1 (A) 0 - 0 (H) 0 - 1 1994第1ステージ オーストラリア○ カナダ(北中米カリブ海予選2位) 1 - 2 (A) 2 - 1 (H)(延長) 3 - 3 (4 - 1 P) 1994第2ステージ オーストラリア アルゼンチン○(南米予選グループ1の2位) 1 - 1 (H) 0 - 1 (A) 1 - 2 1998 オーストラリア イラン○ (アジア予選4位) 1 - 1 (A) 2 - 2 (H) 3 - 3 (a) 2002 オーストラリア ウルグアイ○ (南米予選5位) 1 - 0 (H) 0 - 3 (A) 1 - 3 2006 オーストラリア○ ウルグアイ (南米予選5位) 0 - 1 (A) 1 - 0 (H)(延長) 1 - 1 (4 - 2 P) 2010 ニュージーランド○ バーレーン(アジア予選5位) 0 - 0 (A) 1 - 0 (H) 1 - 0 2014 ニュージーランド メキシコ○ (北中米カリブ海予選4位) 1 - 5 (A) 2 - 4 (H) 3 - 9 2018 ニュージーランド ペルー○ (南米予選5位) 0 - 0 (H) 0 - 2 (A) 0 - 2 2022 ニュージーランド コスタリカ(北中米カリブ海予選4位) 凡例:○が勝者。(H)はOFCのチームのホームゲーム、(A)はOFCのチームのアウェーゲーム。 2006年のワールドカップ・ドイツ大会の予選組み分けの際に、当初オセアニア予選の1位に自動出場権を与える予定となっていたが、最終的にオセアニアの枠は前大会と同様0.5枠とされ、オセアニア代表(1位)チームは南米5位とのプレーオフを戦うことになった。なおこのとき、減枠された南米サッカー連盟が抗議し、他の大陸の枠を減らして南米を増枠することを要求した。また2003年6月に開かれたコンフェデレーションズカップにおけるニュージーランド代表の惨敗も0.5枠維持の原因となったとされる。 2005年3月、OFCで1、2の実力を争っていたオーストラリアとニュージーランドがアジアサッカー連盟 (AFC)に加盟申請することを発表した。前述のとおり、レベル、収益面で劣るOFCに比べ、競技レベルが比較的高いAFCに加盟することによって、マーケティング、競技レベルの向上などが期待できる、という理由である。ただし、この2カ国がOFCを脱退すると、OFC側にレベルの更なる低下などの影響は避けられず、またワールドカップ、コンフェデレーションズカップ、FIFAクラブワールドカップなど、各種大会への出場枠を調整する必要性などが浮上することも考えられた。 最終的にOFCは同年6月にオーストラリアのAFC移籍を承認した。AFC側もこれを承認し、その後FIFAの総会によって正式に移籍が承認された。これによって2006年からのAFCアジアカップ予選に参加することになった。2006年2月に行われたアジアカップ予選で、AFC加入後初戦を迎えたオーストラリアはバーレーンとの対戦で、フース・ヒディンク監督は不在、海外組の主力選手抜きにもかかわらず3-1で、加入後初試合初勝利を飾った。ただし、その後6月から7月に開催されたW杯ドイツ大会へはオセアニア代表として出場している。 一方、AFC加盟申請を発表していたニュージーランドはOFCに残留してその中で強化を模索することを決定した。また2010年のFIFAワールドカップ南アフリカ大会では、大陸間プレーオフでニュージーランドがアジア地区5位だったバーレーンを下して7大会ぶりに本大会へ出場し、その本大会でも全参加国中唯一の無敗(0勝0敗3引き分け、グループリーグ敗退)で大会を終え、オセアニア勢において一定の結果を示した。ただし、2014年に行われたブラジル大会では、ニュージーランドが大陸間プレーオフで北中米カリブ地区4位のメキシコに敗れ、3大会ぶりにオセアニア代表が本大会に出場しなかった。 オセアニア地区特有の問題として、アメリカ領サモア代表選手のジャイヤ・サエルアは2015年のインタビュー記事で、「アメリカ領サモア代表は2011年にあったワールドカップ地区予選(ブラジル大会1次予選)以来、3年間試合をしていない」「ワールドカップ地区予選・サウスパシフィックゲーム・五輪予選が全て同じ年で行われ、それ以外の3年間はまったく試合がない」と述べ、小さな島国が点在する地理的・経済的問題と共に試合数の少なさが各協会の強化を阻んでいる事情を語った。 実際には、ブラジル大会もその次のロシア大会も、オセアニア予選は2次予選が4年に一度開催されるOFCネイションズカップの本大会、1次予選はネイションズカップの予選に重ねられている。4チームで大陸間プレーオフ出場権を争う3次予選はネイションズカップの後に単独で行われるが、1次予選で敗退するか、あるいは2次予選から登場して3次予選に進めなかった場合、「公式戦は4年に1大会だけ」というサエルアの指摘通りになる。 2026 FIFAワールドカップからは出場国が現行の32チームから48チームに拡大されることに伴い、オセアニアからは1枠が与えられることになった。
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