イングリッズ・レース
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/28 20:30 UTC 版)
「ゲームグラフィックス」の記事における「イングリッズ・レース」の解説
vol.3号からvol.15号まで掲載(参加はvol.14まで、vol.15は結果発表)。略称は『IR』 未来におけるカーレースが題材。ただし、参加車両にはレーザー砲やグレネードランチャー等の武装が認められており、単にスピードの優劣を競うだけではく、競争相手を攻撃してリタイアさせるのも大きな特徴となっている。レース形式は殆どラリーであるが、サーキットを周回する耐久レースもある。プレイヤーはルールに定められたポイントの範囲内で自車を設計し、作戦を選択してレースに臨む。その先の結果は編集部のコンピュータの判定次第になる。結果は順位。キャラクター(二人乗りだとドライバーとナビゲーターそれぞれ)の生死。そして獲得ポイントとして提示され、次回のレース告知が行われる。キャラクターが生存、もしくは完走すれば(死亡でもゴールに達してれば)獲得ポイントは次回に引き継がれ、やや有利に自車を設計することが可能となる。 ただ、ゲームの性質上、無事に生還、かつ完走するのはかなり難しい。 そんな中、クリスタルナイツなる投稿者が「チームを募集。参加要領は自車名の後ろにCKと付け、自チーム以外の車両を必ず攻撃すること」の投稿から、『IR』はレーサー単独のゲームから、チーム対抗戦の様子を帯びることとなる。このCK以前にも、「GOTOモータース」のように自車にチーム名を冠する参加者もいたが、それは身内プレイヤー達がチームを組んで参加した単なるお遊びであって、不特定多数が所属する集団対抗戦ではなかった。CKの登場によりオフィシャルが公式にチーム制度を導入したことは、本ゲームの転機となったと言えるだろう。 その反響は大きく、対CKを名乗り出たチーム。非武装車で純粋に完走を目指すチーム等が続出した。 このチーム制度の延長線上に導入されたのがワークス制で、こちらはイングリッズマシン共通だったパーツ類をメーカー毎に細分化し、特定メーカーの専属ドライバーになる事で設計ポイントが緩和される制度(ただし、当然だが、ワークス参加車はそのメーカーのパーツ以外は使用不可)である。 もっとも、こうした新ルール導入後もチーム制度に見向きもせず、ワークスにも我関せずで単独参加する参加者も多かったのも、また事実である。 世界設定を読者が創造するために、ルールでは「体重が重い方が死ににくい(体格による耐久性が高い)」のだけど、相撲取りみたいな体型のドライバーは嫌だとして「この娘はサイボーグだから重いんです」 や、「毎回死亡してるけど、同一人物なんです」を強弁するため、「実はクローン人間」 等、未来世界なのを良いことに様々な設定が語られたが、中にはなんでこんな殺人レースが開催されるのかの考察もあり、「発展途上国の人口抑制を兼ねた、先進国の代理戦争」 との考察が有力説となる。 この設定は採用され、先のサイボーグやクローンも、レースに名を借りた生体兵器開発の隠れ蓑であり、ワークスも東西両陣営 の息が掛かった物だったとマスコミに暴露される経緯が紹介され、その流れから人道上の理由や、人体実験の倫理の問題が取り上げられて世論による非難が集中。ついにゲーム内ではそれらを理由に開催予定のレースが中止になる事態にまで発展する。 かくてイングリッズ・レースは東西の代理戦争であった意義を失った。それでも運営の決定を不服として、最終回に有志によるレースが行われるものの、世界は冷戦から熱戦へと動き、レース中に勃発した第三次世界大戦によって、唐突に終わりを迎えることとなる。
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