とも座
名称:とも座(艫座)
学名:Puppis
小分類:南半球
構成する主な星雲、星団、恒星:ナオス(ゼータ星)/アスミディスケ(クシー星)/M46(NGC2437=散開星団)/M47(NGC2422=散開星団)/M93(NGC2447=散開星団)
神話の主な登場人物:アイソン/イアソン/ペリアド/アイエテス/ヘレン/ヘルクレス/オルフェウス/アスクレピオス/ポルックス/カストル/メディア
日本で観測できる時期:1月〜4月の約4ヵ月間
見ごろの季節:冬(20時正中は3月中旬)
とも座は、元はアルゴ座という大きな船の形をした星座の一部で、近世になって大きすぎるという理由で4つに分割されたうちのひとつです。船の後ろにある「とも」の形をしているとされますが、実際には分かりにくいと思います。しかし、天の川の中に位置しており、美しい散開星団M46とM47が並んでいるなど、観測上は見ものが多い星座です。
1.見つけ方のポイント
冬の南の空、おおいぬ座のすぐ東に、大きな台形が見つかります。それがとも座です。全体には、長細い5角形を逆さにしたような形をしています(正確にはもっと複雑な形です)。アルゴ座の仲間のなかでは比較的北にあるので、南の土地へ行けば楽に全体像を見ることができるでしょう。
2.神話の内容について
イオルコスの王アイソンの息子イアソンは、叔父ペリアドの悪だくみで国を乗っ取られてしまいます。やがて立派な若者に成長したイアソンは、叔父の元へ行き、国を返すよう求めました。しかし叔父ペリアドは、イアソンに黒海の奥にあるコルキス王国のアイエテス王が持つという、金色の羊の皮を持ってくるよう要求します。イアソンは女神ヘレンの助力のもと、巨船アルゴ号を建設し、ヘルクレスや琴の名手オルフェウス、医者のアスクレピオス、双子のポルックスとカストルなど50人の勇者を乗せて船出します。アルゴ号は、航海の途中、黒海入り口のぶつかり合う2つの大岩の間を通るときに船尾の部分をちぎられたりしますが、無事コルキス王国へ到着。王女メディアの助けもあって、金色の羊の毛皮を持ち帰り、叔父ペリアドを倒して王となりました。とも座は、このアルゴ船を天に昇らせて星座にした「アルゴ座」の、ともの部分を独立させた星座です。
3.同じ時期に見える星座について
とも座は、もともとアルゴ座の一部でしたので、東のらしんばん座、南の地平線すれすれに現われる、りゅうこつ座、ほ座と一緒に見えます。また北には、おおいぬ座、こいぬ座、いっかくじゅう座があり、西には、うさぎ座、はと座などもあります。
4.主要都市での観測について
本州でも星座の部分を見ることができますが、全体像を見るためには北緯35度以南へ行く必要があります。
※参考文献:「星座クラブ」沼澤茂美著(誠文堂新光社)、「星のポケットブック」(誠文堂新光社)、「星座天体観測図鑑」藤井旭著(成美堂出版)、「星座・夜空の四季」小学館の学習百科図鑑、「星座博物館・春」、「同・夏」、「同・秋」、「同・冬」、「同・星座旅行」瀬川昌男著(ぎょうせい)、「星空ガイド」沼澤茂美、脇屋奈々代著(ナツメ社)
固有名詞の分類
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