じゃぱゆきさんとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > じゃぱゆきさんの意味・解説 

ジャパゆき‐さん

Japan+行く+さんから》日本出稼ぎに来る外国人女性呼称。かつて日本から南方出稼ぎにいった女性たちをさす「からゆきさん」をもじった言葉。→唐行(からゆ)き


ジャパゆきさん

(じゃぱゆきさん から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/16 17:43 UTC 版)

ジャパゆきさんは、1983年頃に流行語になったアジア各国から日本に出稼ぎに来る女性のことを指して呼んだ語である。

語源

明治時代以降、九州島原などの貧しい女性が、経済的に繁栄する東南アジアの港湾都市などに送り込まれ、娼館娼婦として働き、郷里に送金していた。九州ではこれらの女性を「からゆきさん」と呼んだ。

山崎朋子ノンフィクション文学『サンダカン八番娼館- 底辺女性史序章』や、その映画化作品である1974年公開の映画『サンダカン八番娼館 望郷』(東宝、原作山崎朋子)の中で、まずしい田舎の女性がボルネオの娼館で働く「からゆきさん」が描写され、よく知られるようになった。日本から東南アジアへ渡った「からゆきさん」との対比で、アジア各国から日本(Japan)へ出稼ぎに来た女性に対し映像ルポライター山谷哲夫によって「ジャパゆきさん」という造語が生まれた[1]

背景

日本への出稼ぎ女性が増えた背景として、日本の経済が伸び、世界的な経済格差が大きくなったことがあげられる。日本で半年も働けば国へ帰って家が建てられると言った話が広がり、日本で働くことにあこがれや夢を抱く女性が増えた。[要出典]

日本の水商売にエンターティナーとして女性達を連れて来るプロモータービジネスが、利益の高い商売であったことと合致し、当初はフィリピン、後に東南アジア各国の女性をタレントとして来日させるようになった。[要出典]

社会問題

当時はまだ外国人女性がめずらしいこともあり、とまどいと好奇程度であったが、1980年代前後から急激に増えた事で、多くの問題が出てきた。具体的には、風俗への流出、不法滞在(いわゆるオーバーステイ)、売春強要、タコ部屋労働、給与不支払い、暴力団介在などである。これらによって、悲惨な状況に追い込まれた女性も多くある。[要出典]

こうした被害女性は不法滞在が多く、被害を警察に訴えられないため、潜在的には相当の数に上ったと見られ、こうした人たちの人権を守るため、1980年代以降、多くのボランティア団体が人権保護のために活動している。

現在

日本で働く外国人女性の数が非常に増え、すでに珍しい存在でなくなったこともあって、「ジャパゆきさん」という言葉も死語になりつつある。

また、雇用する側、される側において人権問題への認識が高まり、法体制の変化もあって前述の様な被害に遭うケースは減少してきている。しかし、不法滞在や差別、法的不備など、解決すべき問題も残されている。

在日外国人の人権活動家(個人・団体)

  • アルスの会
  • 梅原イルミナダ
  • カサデアミーゴ
  • サマハンカプワフィリピノ
  • FAS
  • フォーリンワイフアソシエーション
  • フィリピンデスク
  • フィリピン人移住者センター [1]

注釈

  1. ^ 溝口敦「性の彷徨者たち 5 ジャパゆきさん 東南アジアからの出稼ぎ売春婦たち」(『宝石』1981年12月号)、臼杵敬子『現代の慰安婦たち 軍隊慰安婦からジャパゆきさんまで』(現代史出版会、1983年)、山谷哲夫『じゃぱゆきさん』(情報センター出版局、1985年)など。

関連項目


「じゃぱゆきさん」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「じゃぱゆきさん」の関連用語

じゃぱゆきさんのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



じゃぱゆきさんのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのジャパゆきさん (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS