『草上の昼食』とは? わかりやすく解説

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『草上の昼食』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 07:47 UTC 版)

エドゥアール・マネ」の記事における「『草上の昼食』」の解説

マネは、1863年サロン応募したが、落選したこの年サロン審査例年比べ非常に厳しく落選者の不満が高まった。これを懸念したナポレオン3世が、サロン並行してサロン落選作で構成する落選展開催することを命じたマネの『水浴』(後に『草上の昼食』と改題)、『マホ衣装着け若者』、『エスパダ衣装着けヴィクトリーヌ・ムーラン』も落選展展示された。ところが、特に『草上の昼食』は、批評家たちから酷評嘲笑浴び一大スキャンダルとなった当時裸婦を描くこと自体は珍しいものではなく実際この年サロン賞賛されたアレクサンドル・カバネルの『ヴィーナスの誕生』は、官能的な裸婦描いているが、現実ではなく神話世界描いたのであるため、良識反すことはなかった。また、マネ発想源としたティツィアーノの『田園の奏楽でも、裸のニンフ着衣男性描かれている。しかし、『草上の昼食』の裸婦は、パリ現実女性着衣男性談笑するというもので、風紀反すると考えられた。裸婦周りに、果物などの食べ物や、脱いだ後の流行ドレス描かれることによって、裸婦ニンフなどではなく現実女性であることが露骨に強調されることになった当時鑑賞者は、この作品から、社会の陰の部分である売春世界読み取った批評家エルネスト・シェノー(フランス語版)は、「デッサン遠近法学べばマネ才能手に入れることができるだろう」と、描き方稚拙さを指摘するとともに、「ベレー帽をかぶり短いコート着た学生たちにかこまれの影しか身にまとっていない娘を木々の下に座らせている絵が、申し分なく清純作品だとは思えない。[中略]彼は俗悪な趣味持ち主だ。」と、テーマ自体厳しく批判した1864年バティニョール大通り34番地引っ越したマネは、自由奔放な私生活送っており、以前から、イタリアン大通りのカフェ・トルトーニ(フランス語版)や、カフェ・ド・バードに足繁く通っていたが、バティニョール大通り移った頃から、カフェ・ゲルボワに足を運ぶようになった思われるカフェ・ゲルボワマネ周りには、次第美術家文学者集まり始めた。その中には詩人ザカリー・アストリュク中学時代クチュール画塾時代からの友人アントナン・プルースト写真家ナダール批評家ルイ・エドモン・デュランティテオドール・デュレフィリップ・ビュルティ画家アンリ・ファンタン=ラトゥールアントワーヌ・ギユメ版画家マルスラン・デブータンなどがいた。 作家のアルマン・シルヴェストル(フランス語版)は、カフェ・ゲルボワでのマネについて、次のように描写している。 この革命家[中略]は完璧な紳士マナーをもっていた。しばしば派手なズボンをはき、ショート・ジャケットを着て、つばの平らな帽子後頭部にかぶり、いつも汚れひとつないスエードの手袋をはめているので、マネボヘミアンのようには見えなかったし、実際彼にボヘミアンらしいところは少しもなかったのである。彼は一種ダンディーだった。[中略]彼はとても寛大で親切であったけれども、会話ではわざと皮肉でしばしば毒をふくんでいた。ひとを打ちのめす痛烈な言い回しすばらしく流暢にあやつった。しかし同時に彼の言葉づかい好意満ちていて、そこに込められ考えはまった正しかった。 — アルマン・シルヴェストル、『回想の国で』(1892年) 『マホ衣装着け若者フランス語版)』1863年油彩キャンバス188 × 124.8 cmメトロポリタン美術館1863年サロン落選落選展展示。 『草上の昼食』(当初の題は『水浴』)1863年油彩キャンバス207 × 265 cmオルセー美術館1863年サロン落選落選展展示。 『エスパダ衣装着けヴィクトリーヌ・ムーランフランス語版)』1862年油彩キャンバス、165.1 × 127.6 cmメトロポリタン美術館1863年サロン落選落選展展示。 『死せるキリスト天使たち1864年油彩キャンバス、179.4 × 149.9 cmメトロポリタン美術館1864年サロン入選

※この「『草上の昼食』」の解説は、「エドゥアール・マネ」の解説の一部です。
「『草上の昼食』」を含む「エドゥアール・マネ」の記事については、「エドゥアール・マネ」の概要を参照ください。

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