『草の葉』とは? わかりやすく解説

『草の葉』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 15:14 UTC 版)

ウォルト・ホイットマン」の記事における「『草の葉』」の解説

ホイットマン自身の言によれば何年ものあいだ「普通の報酬」 ("the usual rewards") のために働いた後、彼はついに詩人になることを決意した当初は、当時文学趣味合わせたさまざまな大衆的文学ジャンル試していた。詩集『草の葉』の原型となる作品は、すでに1850年着手しており、生涯手を加えつづけることとなる。ホイットマン書こうとしたのは、真にアメリカ的叙事詩であり、聖書韻律利用した自由詩形式用いた1855年6月末、ホイットマンは『草の葉』の初版見せて兄弟驚かせた。弟ジョージは「読むに値しない考えた」。 ホイットマンは『草の葉』初版自費刊行し地元のとある印刷所にて商売合間印刷してもらい、795部を刷った初版では題名のない12編の詩を収めたわずか95ページ小冊子であった作者名は記されていなかったが、代わりにサミュエル・ホルヤー (Samuel Hollyer) によるホイットマン描いた版画口絵掲載されていた。『草の葉』はラルフ・ワルド・エマーソン(ノガワカ)から高い評価を受け、エマーソンホイットマンに5ページに及ぶ称賛の手紙を書き、また友人たちの間でも絶賛した。このエマーソン評価のおかげもあって 、『草の葉』初版は広い範囲読まれ、相当の関心獲得したが、同時にその「わいせつ」性についての批判一部から受けた地質学者ジョン・ピーター・レスリーはエマーソン書いた手紙の中で、『草の葉』は「くずで、卑俗わいせつ」 ("trashy, profane & obscene") で、著者は「もったいぶったばか」 ("a pretentious ass") だと記している。1855年7月11日、『草の葉』刊行数日後ホイットマンの父は65歳この世去った。 『草の葉』は、初版刊行後からの数か月の間に、性的に不適切側面への注目強まった。このことから、すでに印刷製本されていた第二版売り出しを、出版者拒否する寸前にまで至ったが、最終的には、20篇の詩を新たに追加した第二版1856年8月発売された。1860年次いで1867年改訂再版重ねホイットマン生涯通じて更に数度改訂が行われた。アモス・ブロンソン・オルコットやヘンリー・デイヴィッド・ソローなど幾人かの著名な作家は、わざわざホイットマン訪ねるほどこの作品評価したドイツ詩人フェルディナント・フライリヒラート初版の頃からホイットマン着目しドイツ語訳進め1868年発表している。 『草の葉』の最初の数版の刊行時期ホイットマン経済的に困難な状況に陥り、再びジャーナリストとして働かざるを得なくなった1857年5月からは、ブルックリンの『デイリー・タイムズ』(Daily Times) に勤務し編集者として紙面監修書評社説執筆した1859年には職場去ったが、これが解雇よるものホイットマン自身選択であったかは不明である。ホイットマン日々記録日誌こまめに記すほうであったが、1850年代後半自身についてはほとんど書き残していない。

※この「『草の葉』」の解説は、「ウォルト・ホイットマン」の解説の一部です。
「『草の葉』」を含む「ウォルト・ホイットマン」の記事については、「ウォルト・ホイットマン」の概要を参照ください。

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