「ラメイ島」から「小琉球」へとは? わかりやすく解説

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「ラメイ島」から「小琉球」へ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/17 15:48 UTC 版)

ラメイ島虐殺事件」の記事における「「ラメイ島」から「小琉球」へ」の解説

相当数原住民殺害あるいは連行によって一掃した第三次侵攻後、台湾行政政庁ラメイ島の今後経営について検討行った第三次侵攻から半年後の1636年12月28日付けの『東インド事務報告』にはココヤシ栽培のために、300レアル中国人賃貸したことが記されている。なお、パウルス・トラウデニス行政長官就任時の月俸210グルデン(=70レアルであったことが知られており、かなりの高額であった。だが、ラメイ島の経営は困難を極めたらしく、1645年4月28日付の『ゼーランディア城日誌』に記され賃貸価格70レアル大幅に引き下げられている。また、1637年のブルフ行政長官原住民との会談から第四次侵攻の間の複雑な方針変更背景にも島の経営問題関与していたと考えられている。皮肉にも中国人による農場経営軌道に乗ったことを知ることが出来るのは1661年暮れ鄭成功によるゼーランディア城攻撃備えてラメイ島から大量ヤシの実ヤギ野菜などの物資調達したという『バタヴィア日誌』の記事によってである。そして、翌年の同城陥落によってオランダ台湾支配終焉し、鄭氏政権成立すると、程なく台湾海峡対峙する大陸側清朝との対抗上、島から中国住人排除して無人化進めた見られている。これは鄭氏政権崩壊した翌年である1685年清朝の元で作成された『台湾府誌』には小琉球無人記しており、オランダ支配最末期にいた筈の中国住民がわずか20年余りでいなくなるという不可解な状況から推測されることである。清朝支配下に入ると、かつてラメイ島と呼ばれていた島は「小琉球」と呼ばれるようになった。この名称は元は台湾本島自体を指す言葉であったが、清朝台湾平定した際に冊封関係にあった琉球王国との区別のために「台湾」を呼称として採用して以来何らかの事情無人島となっていたこの島の名称として代わりに用いられるようになったその後などを採るために少数近隣住民住みつく例もあったが、一貴が蜂起した際に小琉球立て籠もった集団があったことから、再び立入禁止とされた。後に禁止解除されると、中国系の住民がこの島にも移住するようになったが、かつて人がい痕跡伺える島に人がいなくなった事情詳しく知る者は誰もいなかった。これはラメイ島の事件の後に短期間2度わたって支配者変更されたことにより、ラメイ島の事件オランダ側の記録には残されていても、中国側記録として残されなかったことによる。そのため、これを説明するために生み出されたのが「烏鬼伝承であった1894年書かれた『鳳山県采訪冊』の「小琉球」(巻2・地輿2・諸山)の記事には島に村落が6ヶ所400戸、人口2-3千人現況伝えた後で次の言い伝え載せている。 (小琉球の石洞について)伝承によれば昔、烏鬼番と呼ばれる部族がここに集団をなして住んだ場所である(中略)。後に泉州人が彼の地渡って開墾しようとしたところ、衝突起こり泉州人が夜に乗じて火を放ち、彼らは一人残らず焼き殺されてしまった……。 かつて、ここの原住民が石洞に追いつめられて凄惨な方法殺害され事実断片的に伝えているものの、オランダ人が行った事実はすっかり消されてしまい、中国系の漢民族泉州人)による事件置き換えられしまっている。この伝承は日本支配下で『台湾地名辞書』(『大日本地名辞書続編)を編纂した伊能嘉矩らによって継承され今日でも通説扱いされているのが実情である。

※この「「ラメイ島」から「小琉球」へ」の解説は、「ラメイ島虐殺事件」の解説の一部です。
「「ラメイ島」から「小琉球」へ」を含む「ラメイ島虐殺事件」の記事については、「ラメイ島虐殺事件」の概要を参照ください。

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